板門店、非武装地帯を歩く 朝鮮半島38度線周辺 あの会議場から分断鉄道、DMZ米まで
2018年4月、世界が最も注目した場所といえば、朝鮮半島の板門店が挙げられるでしょう。その周辺も含め、実際どのような場所なのでしょうか。
世界中の目が向けられたあの現場
朝鮮半島情勢は大きく動きました。世界を驚かせたのは、2018年4月27日に板門店で開催された南北首脳会談です。通算3回目となる会談でしたが、今回初めて軍事境界線の南側で行われました。
文在寅大統領が待ち、そこへ金正恩委員長が歩み寄り、軍事境界線を挟んで握手。その後両者は南北を行き交うという、朝鮮戦争以来のできごとでした。
続いて6月には米朝会談が行われる見通しです。場所については、再び板門店となるか、海外へと場所を移すか、と憶測が飛び交っています。まさにいま、世界で最も注目されている場所が、板門店を含む非武装地帯と言ってもいいでしょう。
実はこの場所、韓国政府が認可したツアーに参加する事で、一般人でも行くことができます。今回は参考までに、私、軍事フォトジャーナリスト菊池雅之が非武装地帯をご紹介しましょう。
まず、冒頭から書いている「非武装地帯」について。英語表記の「demilitarized zone」を略して「DMZ」と呼びます。1953(昭和28)年7月27日の朝鮮戦争休戦協定により、軍事境界線が引かれました。ちょうど北緯38度に当たることから、「38度線」とも呼ばれます。その軍事境界線からそれぞれ南北に2kmの範囲が非武装地帯となっています。そんな場所に、ソウルから距離にして約50km程度でたどり着くことができます。
DMZには、共同警備区域JSA(Joint Security Area)が設定されており、この場所は北朝鮮軍と国連軍が共同で警備することになっています。国連軍といっても実質は韓国軍とアメリカ軍です。
南側の玄関口となるのが国連軍駐屯地「キャンプ・ボニファス」です。軍事境界線の南側から400mのところにあります。見学者は必ずここに立ち寄ります。そして、「ここから先は何が起きても自己責任」という書類にサインを求められます。多数の軍人が見つめるなか、このような文面に名前を書くのはなかなか緊張します。
日本も核武装しないとね