板門店、非武装地帯を歩く 朝鮮半島38度線周辺 あの会議場から分断鉄道、DMZ米まで
軍事境界線と、そこへ向かう鉄道
いよいよ、軍事境界線へ――。
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テレビでお馴染みの青い細長い建物が並んでいます。軍事停戦委員会の会議場です。なかに入ると、軍事境界線の真上にテーブルが置かれており、マイクのスピーカーが境界を示しています。会議場内だけは、南北自由に行き来ができます。一応韓国軍の憲兵がにらみを利かせてますが、とがめられることはありません。私はここぞとばかりに南北を行き来しました。
軍事境界線から北を見ると、金正恩委員長が歩いて出てきた「板門閣」があります。南を見ると、南北首脳会談が行われた「平和の家」があります。いまこの場所に行けば、まさにあのふたりが歩いた道程をたどることができます。
世界一ものものしい駅、それはトラサン駅!
軍事境界線に最も近い、韓国最北の駅、それが京義線のトラサン(都羅山)駅です。
京義線は1902(明治35)年にソウルから北へと工事が行われ、1904(明治37)年、中国国境の新義州駅までつながりました。京城(現ソウル)と新義州を結ぶ線ということで、京義線と命名されます。
戦後、南北が分断されると、この路線も38度線でぶっつりと切られます。2000(平成12)年6月、金大中大統領と金正日委員長により、朝鮮戦争以来初となる南北首脳会談が行われ、京義線の再連結合意が盛り込まれました。2002(平成14)年2月20日、今度はブッシュ米大統領が金大中大統領とトラサン駅を訪れ、改めて全線開通を目指すことになります。
2002年9月18日に鉄道工事がスタート。線路は繋がり、2006(平成18)年5月25日に試運転を行うことになりました。しかし、その前日である24日、北朝鮮は突如キャンセル。その後なしのつぶてとなりますが、韓国は辛抱強く北朝鮮と交渉し、何とか2007(平成18)年5月に試運転成功。同年12月には貨物の運行まで漕ぎ着けるも、結局1年程度の営業で再び北朝鮮側が一方的に断絶。いまに至ります。
日本も核武装しないとね