ANAが退役ジェット機を整備訓練専用に活用

ANAが整備士などの技術系の新入社員に対して、退役したB737-500型機を整備訓練専用に投入すると発表。航空機の整備品質のさらなる向上を目指すためのものとしています。

モックアップ(模型)よりもより効率的な訓練が可能に

 ANA(全日空)は2018年5月11日(金)、退役したB737-500型機を整備士養成のための訓練専用機として活用すると発表しました。退役したジェット機を1機丸ごとこのように活用するのは、日本の航空会社としては初の試みです。

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ANAが投入を予定している整備訓練専用機のB737-500型機(画像:ANA)。

 航空会社では通常、客室系や整備系など航空機運航に関わる専門職種の訓練に、機体の一部を模したモックアップ(模型)を使用して訓練を実施。その後に実機での実技訓練を積んで行きます。ANAでもこれまで、整備士などの技術系の新入社員は、モックアップで整備作業の基礎を学ぶ訓練を行った後に、格納庫内の実機で整備の実技訓練を行ってきました。

 しかし、この訓練体系では、実機での様々な整備業務に触れ、実技訓練を習得するまでにかなりの時間を要します。退役機を1機丸ごと整備訓練専用に活用すれば、機体の一部を模したモックアップよりも、多くの新入社員が同時に実技訓練を実施できるようになります。また、従来の訓練体系では実施困難であった様々な整備作業も体験できるなど、今まで以上に効果的かつ効率的な整備訓練の実現が可能になるといいます。 

 ANAは、今後の航空運送事業の拡大に伴い保有機材も増えていくなかで、効率的な訓練によって整備士がより多くの経験を早期から積むことで、整備品質のさらなる向上を図るとしています。整備訓練専用機は、2018年7月から整備訓練に投入予定だそうです。

※一部内容を修正しました(5月11日17時30分)

【了】

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