西鉄レストラン列車は「ランチ」「ディナー」の2便 「モーニング」も検討中

西鉄が東京都内で事業戦略説明会を実施。2019年春にデビューする観光列車「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」の運行スケジュールなどを発表しました。

通常の2倍かけて福岡~大牟田間を走行

 九州の福岡を中心に鉄道とバスのネットワークを展開している西日本鉄道(西鉄)は2018年5月14日(月)、東京都内で2018年度の事業戦略説明会を実施。2019年春の運行開始が予定されている天神大牟田線の観光列車「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO(ザ・レイル・キッチン・ちくご)」について、開発関係者らによる紹介が行われました。

Large 180514 chikugo 01
事業戦略説明会では「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」の開発関係者が列車の概要を紹介した(2018年5月14日、草町義和撮影)。

「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」は、天神大牟田線で運転されている通勤電車のうち、6050形電車の3両×1編成を約5億円かけて改造。車内で調理した料理を提供する「レストラン列車」タイプの観光列車として運行されます。

 中間の2両目に窯のあるオープンキッチンと8人分のテーブル付き座席を設置。大牟田寄りの1両目と西鉄福岡(天神)寄りの3両目は、それぞれ22人分のテーブル付き座席が設けられ、座席定員は52人になります。西鉄は「筑後地方を中心とした沿線地域の新鮮な食材を列車内で調理し、できたての温かく美味しい料理を提供します」としています。

 今回の説明会では大まかな運行スケジュールが明らかにされました。運行日は金、土曜日と休日で、「ランチ」便と「ディナー」便の2本を運行。「ランチ」便は西鉄福岡(天神)駅を11時30分ごろに発車し、大牟田駅まで走ります。途中、西鉄柳川駅で下車することも可能です。「ディナー」便は17時ごろに大牟田駅を発車して西鉄福岡(天神)駅へ。西鉄柳川駅から乗ることもできます。

 所要時間はいずれも約2時間。西鉄福岡(天神)~大牟田間の特急が1時間4分ですから、2倍近い時間をかけてゆっくりと走ることになります。

 このほか、「モーニング」便の運行も検討しているといいます。「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」の開発を担当した西鉄事業創造本部の吉中美保子課長は「モーニングは(通勤客向けではなく)観光客向けで、福岡から大牟田の方へ運転することを考えています」と話しました。

 今後は2018年9月に料金や運行開始日などが発表される予定。2019年2月には車両の内装と外装が披露され、同年春にデビューする予定です。吉中課長は料金について「ちょっといいレストランへ行くくらいのレベルになると思います」としています。

【了】

この記事の画像をもっと見る(6枚)

Writer: 草町義和(鉄道ニュースサイト記者)

鉄道誌の編集やウェブサイト制作業を経て鉄道ライターに。2020年から鉄道ニュースサイト『鉄道プレスネット』所属記者。おもな研究分野は廃線や未成線、鉄道新線の建設や路線計画。鉄道誌『鉄道ジャーナル』(成美堂出版)などに寄稿。おもな著書に『鉄道計画は変わる。』(交通新聞社)など。

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。