駅の「ピーン、ポーン」何のためにある? 安全な案内のために重要な音

基本は「プラス10dB」

 現在は交通バリアフリー法を発展させた「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」(バリアフリー新法)に基づくガイドラインが制定され、これにより盲導鈴などの音を使った案内の方法が定められています。具体的には以下の通りです。

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駅に盲導鈴を初めて導入したのは阪急電鉄と言われている(2017年2月、草町義和撮影)。

・駅の改札口:「ピン・ポーン」またはこれに類似した音響
・エスカレーター:「(行き先)(上下方向)エスカレーターです」
・トイレ:「向かって右(または左)が女子トイレです」
・プラットホームの階段:鳥の鳴き声を模した音響
・地下鉄入口:「ピン・ポーン」またはこれに類似した音響

 ガイドラインでは「ピーン、ポーン」ではなく「ピン・ポーン」と表現されていますが、いずれにしても駅の改札口の音響は統一。プラットホームに通じる階段では別の音(鳥の鳴き声)を使って案内することが定められました。

 ちなみに、日本工業規格(JIS)でも誘導用電子チャイムの仕様が決められています。それによると、1フレーズの長さは原則5秒以内で、フレーズ間の無音は原則2秒以下。スピーカーは歩行者の流れにあわせた方向(主要動線)に向け、設置の高さは2.4m~3mか0.8m以下の範囲とされています。

 なお、音量は「周辺の環境騒音に対して約10dB以上大きいこと」とされています。目が見えない人は常に静かな場所だけを歩くわけではありませんし、誘導用電子チャイムの音が周囲の音でかき消されてしまっては意味がありません。周囲の音よりは必ず大きくするようにして、多少うるさくても聞こえるようにしているのです。

【了】

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コメント

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1件のコメント

  1. 会社ごとに「ピーン・ポーン」とか「鳥の鳴き声」とか違うのではなくて、案内の場所によって違うのは知らなかった。確かに同一の駅で「ピーン・ポーン」と「鳥の鳴き声」が両方存在する駅もあるなぁ。