2時間乗っても200円! 長大すぎる阿蘇のコミュニティバス路線 峠を越え集落をつなぐ

車窓に広がる絶景、山村の風景… 運転士おすすめの路線は?

 コミュニティバスでは定員10人程度のワゴン車で運行されるケースもあるなか、高森町民バスは利用が比較的旺盛な便もあり、定員30名ほどのバス車両が使われています。運行は熊本県内で路線バスを運行する産交バス(九州産交バス)が受託しており、白と青の塗装色は周辺を走っている同社の一般路線バスと同じです。

 前述のとおり、高森町民バスは全6系統で、おもに中心部を走る色見循環線のほか、郊外線が5系統あります。月・木曜日に走るのが草部南部(くさかべなんぶ)線と河原線、津留・野尻(つる・のじり)線、火・金曜日に走るのが草部北部線、尾下(おくだり)線です。観光でそのすべてに乗車するのは難しいかもしれませんが、どれかひとつおすすめを選ぶならば、と高森営業所の運転士さんにお聞きしたところ、複数の方が草部南部線を選ばれました。

 草部南武線には、阿蘇五岳が一望できる峠、バスの車幅ギリギリの狭い道、暗い森、地図にすら記載されていない橋を渡る区間もあり、車窓は絶景と驚きに満ちています。高森中央バス停にある観光案内所の職員さんによると、福岡市や北九州市からも、定期的に乗りに来る観光客もいるそうです。

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集落をゆく高森町民バス。草部南部線の水迫バス停から(沖浜貴彦撮影)

 そのように高森町民バスを目的として訪問するのは、ほんのわずかなマニアだけかもしれません。しかし、九州を代表する観光地である阿蘇地域を走るバスなのですから、地元住民以外の利用を喚起し、路線の維持につなげることもできるのではないでしょうか。もしかすると、現在テレビ番組でも散見される「レジャーとして路線バスに乗る」というコンセプトが高森町民バスでも活用され、今後注目されるようになるかもしれません。

【了】

※記事制作協力:風来堂、沖浜貴彦

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コメント

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1件のコメント

  1. いっそ全国すべての自治体コミュニティーバスを網羅的に紹介するサイトを乗り物ニュース社で立ち上げてみるのはどうでしょうか。