50年を経て復活した渡し船、行先は「廃村」のナゼ 秘境・奥会津の新観光スポットに

山深く、厳しい自然が広がる「奥会津」。そこを流れる只見川の小さな渡し船が近年復活し、観光スポットとしてにわかに注目されています。しかし、その行先は50年以上前の廃村。いったいどのような光景が広がっているのでしょうか。

渡し船とセットの廃村ツアー、パワースポットとしても人気に

 廃村とともに渡し船はその役目を終え、姿を消しました。しかし、それから約50年が経過した2010(平成22)年、地域おこしのために「霧幻峡の渡し」として復活。それに尽力したのは、三更集落の出身者である星 賢孝さんでした。星さんが中学1年生のときに、先述した「ブナ坂大崩壊」が起きたのだそうです。

 かつての三更集落の風景をよみがえらせた霧幻峡の渡し。現在は4月下旬~11月下旬の土休日に予約制で運航されており、約15分間の船旅とともに、三更集落の跡地を巡るツアーが開催されています。

三更集落跡は、いまも廃村前の面影をところどころに残しているのです。霧幻庵とも呼ばれる旧山田邸宅は、雪国の典型的な家屋の造りである曲り屋で、太い柱は煤で黒光りし、長い年月を感じさせます。ツアーの際にはこうした古民家で休憩もできるほか、鉱山跡の見学では三更集落の歴史が垣間見られます。

 さらに、この三更集落が誕生したおよそ300年前より人々の信仰を集めている大山祇(おおやまつみ)神社や、子宝と安産、子供の成長を願う人々が多く訪れていたといわれる霧幻峡子安観音、只見川を見下ろす場所に1944(昭和19)年に建立された霧幻地蔵も残されており、変わらず集落跡を守り続けています。これらは、「ブナ坂大崩壊」を含む度重なる災害を免れたことから、最近ではパワースポットとして人気が集まっているとか。

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櫂(かい)を使う昔ながらの和船で運航される(加藤桐子撮影)。

 近年、メディアなどに取り上げられるようになったとはいえ、近くの会津若松に住む人ですら、霧幻峡の渡しの存在を知らないという人が多いそうです。霧幻峡の渡しは、日本有数の秘境である奥会津のなかでも、さらなる秘境へと渡してくれる船といえるでしょう。

【了】

※記事制作協力:風来堂、加藤桐子

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コメント

4件のコメント

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