好調フェリーに影を落とす燃料問題 価格高騰で運休の路線も 2020年にはさらに負担増

燃油サーチャージも上がっている!

 原油価格の高騰はほかのフェリーにも影響を及ぼしています。たとえば阪神地区と九州を結ぶ3航路を運航するフェリーさんふらわあ(神戸市東灘区)も、2018年10月1日から燃料油価格変動調整金、いわゆる燃油サーチャージを「0」段階から「2」段階に引き上げ。大阪~別府航路および神戸~大分航路では、旅客で620円、乗用車で1440円が適用されています。日本長距離フェリー協会によると、基準は各社で異なるものの、燃料費の高騰に対し燃油サーチャージを上げてきているそうです。

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2018年9月に就航したフェリーさんふらわあの新造船「さんふらわあ きりしま」(2018年9月、伊藤真悟撮影)。

 フェリーさんふらわあのような長距離フェリーは、働き方改革が叫ばれるなかでトラックの利用が増え、活況を呈していますが、日本旅客船協会によると、短・中距離の場合は、長距離ほどは戻っていないのが実情ではないかといいます。「収益のメインは貨物であることは間違いないのですが、短い距離のフェリーをトラック側が使ってくれるかどうかは、路線の特性にもよるでしょう」とのこと。

 加えて、各社が設定している燃油サーチャージは、旅客であれば設定しやすいものの、貨物の場合は荷主があってこそ。基本的にBツーB(企業対企業)のサービスであり、旅客と同じ割合にはならないこともあると、日本旅客船協会は話します。

 燃油価格が上昇した2013年には、国が経済団体に対し、燃料費の高騰分を反映した適正取引の推進を働きかけました。しかし日本旅客船協会によると、「現在のところ、そのような働きかけはなされていません。各事業者と荷主さんとで個別に交渉している状況でしょう」と話します。

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コメント

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3件のコメント

  1. 何が故に好調なのかを考えれば当たり前の流れですかね。
    トラックやバスも排ガス規制の煽りで車両価格は値上がりする反面運賃は上がらない、船舶同様に燃料高騰の問題、雇用の条件は改善されつつも相変わらずに随所に臭い物に蓋が見え隠れしてますし
    そもそも海運を丸投げ放置した高速1000円時代の病が未だに燻ってる証じゃないでしょうか?
    ここ最近のレギュラーガソリンが150円前後を往き来するあたりから根強い税率の議論が出てくれば風向きも変わるでしょうか?、私はマイカーにハイオクを入れてますが、今年4月に島根県と山口県で給油したハイオクの単価が138円前後でしたので現在は軽油がこの単価に迫る勢いからしても確かに深刻な状況なんでしょうね。
    フェリー業界も船舶の老朽化や物流利用の活性化を見越して新造船を短期に複数建造しましたが機関の初期トラブルや今回の燃料高騰に規制の大きく立ちはだかる壁、他方の物流の苦境を糧にしたビシネスチャンスなんてのは中々難しい話なんでしょうかね?
    四国に複数の橋を建造しても互いの経路が寸断された場合の振り替え輸送の提携の架け橋は無いに等しい状況ですし、熟、基礎の大切さを思いしらされますね。

  2. いい加減、フェリーも太陽光発電など石油以外で運航できる技術の実現って無理なのだろうか。
    石油産出国の情勢云々で休止になったりするのは非常に困る。
    運行会社さんが本当に気の毒。

    • 人造石油とかも試してみる価値はある