好調フェリーに影を落とす燃料問題 価格高騰で運休の路線も 2020年にはさらに負担増

いま燃油価格高騰を強く訴えられない事情が

 今後、燃料価格が下がったとしても、フェリー業界においては2020年以降、現在よりもさらに負担が増えることが確実視されています。日本長距離フェリー協会は次のように話します。

「2020年1月から、船舶の排気ガスに含まれる硫黄酸化物(SOx)の規制が強化されますので、各事業者はその『SOx問題』への関心が高い印象です。現在船舶の燃料として一般的に使われているC重油よりも、硫黄分を大幅に少なくする必要があり、コストアップにつながると考えられています」(日本長距離フェリー協会)

 規制に対応するには、燃料を変える、あるいはスクラバーと呼ばれる脱硫装置を船に取り付ける必要があるとのこと。しかし、規制強化まで残すところ1年余りというなかでも、現状では具体的にどのような燃料を使うことになるかはっきりしておらず、事業者にとって心配が大きいといいます。

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国が示す船舶の「SOx対策」3つの手段(画像:国土交通省)。

 当然ながら、それにともなう価格転嫁も想定されます。いまの段階で荷主あるいは国民に対して、燃料費の高騰を高らかに訴えることができない事情があるのです。

【了】

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コメント

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3件のコメント

  1. 何が故に好調なのかを考えれば当たり前の流れですかね。
    トラックやバスも排ガス規制の煽りで車両価格は値上がりする反面運賃は上がらない、船舶同様に燃料高騰の問題、雇用の条件は改善されつつも相変わらずに随所に臭い物に蓋が見え隠れしてますし
    そもそも海運を丸投げ放置した高速1000円時代の病が未だに燻ってる証じゃないでしょうか?
    ここ最近のレギュラーガソリンが150円前後を往き来するあたりから根強い税率の議論が出てくれば風向きも変わるでしょうか?、私はマイカーにハイオクを入れてますが、今年4月に島根県と山口県で給油したハイオクの単価が138円前後でしたので現在は軽油がこの単価に迫る勢いからしても確かに深刻な状況なんでしょうね。
    フェリー業界も船舶の老朽化や物流利用の活性化を見越して新造船を短期に複数建造しましたが機関の初期トラブルや今回の燃料高騰に規制の大きく立ちはだかる壁、他方の物流の苦境を糧にしたビシネスチャンスなんてのは中々難しい話なんでしょうかね?
    四国に複数の橋を建造しても互いの経路が寸断された場合の振り替え輸送の提携の架け橋は無いに等しい状況ですし、熟、基礎の大切さを思いしらされますね。

  2. いい加減、フェリーも太陽光発電など石油以外で運航できる技術の実現って無理なのだろうか。
    石油産出国の情勢云々で休止になったりするのは非常に困る。
    運行会社さんが本当に気の毒。

    • 人造石油とかも試してみる価値はある