月を目指せ! 米アポロ11号成功の一方でソ連は…? 歴史の陰に隠れた「ルノホート」

人類が月に降り立ったのは1969年7月のこと、誰もが知るアポロ11号によってですが、一方そのころソ連はなにをしていたのでしょうか。もちろん月探査を目指していました、ただしラジコンで。

アポロ成功の陰で…面目は保ったのか?

 探査車は、1968(昭和43)年4月には試作型が完成し打ち上げにも成功しますが、この頃には有人飛行ではアメリカにもう追いつけないことがはっきりしてきます。こうなったらソ連はアメリカの宇宙飛行士よりも先に探査車を月に着陸させて面目を保つしかありません。

 完成した探査車は「ルノホート」と命名され、プロトンロケットに搭載されて1969年2月19日、月へ向け打ち上げられます。ところが打ち上げは失敗、ロケットは空中爆発してルノホートも失われてしまいます。この失敗は最高機密とされ、2007(平成19)年までロシア国内でも知られていませんでした。

 その5か月後、アポロ11号は月面に到着します。

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「ルノホート1号」、正確には2機目(画像:ソ連航空産業省)。
「ルノホート」を月まで運んだ「ルナ17号」(画像:ソ連航空産業省)。
「ルノホート」が月面に付けた轍(わだち)(画像:ソ連航空産業省)。

 2機目の「ルノホート」が再び月に向かったのは1970(昭和45)年11月10日でしたが、ソ連は無人月探査機「ルナ17号」を打ち上げたとだけ発表し、「ルノホート」を搭載していることは秘密のままでした。

「ルナ17号」は11月17日に月面へ着陸し、「ルノホート」は月面に下ろされて活動を開始します。ここで初めてソ連は探査車「ルノホート1号」を大々的に発表します。(正確には2機目ですが)。「ルノホート」が月面に付けた轍の写真に世界中が驚かされます。ソ連は月探査に人を送り込む必要はなく、最初から無人探査技術を開発していたという、「アポロ」に対する負け惜しみのようなコメントを発表します。

 地球からのラジコン操縦はとても難しく、最初の5日間では197mしか進めませんでしたが、操縦チームが慣れてくるとどんどん走行距離を伸ばしていきます。設計寿命は約3か月と見積もられていましたが、実際には322日も稼動し、走行距離は1万540m、活動範囲8万平方キロメートル、撮影画像2万枚以上(うち高解像度パノラマ画像206枚)、500の異なった地点で月の土壌についての25の分析を行いました。

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