「脱・カー用品店」なオートバックス誕生 本、雑貨、カフェ…旗艦店大改装の狙い(写真25枚)
カーショップの「カフェ」化進む背景
今回のリニューアルは、「TSUTAYA」などを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)がプロデュース。同社が展開する生活提案型商業施設「代官山蔦屋書店」(東京都渋谷区)のコンセプトを引き継ぎ、さらにオートバックスの売上データや顧客アンケートなどから、必要な機能を盛り込んで誕生したといいます。
「(タワーマンションなどが立ち並ぶ)この店の5km圏内には100万人以上が暮らしています。そのなかで、近くに『あったらうれしいサービス』としてアンケートで要望の多かったのが、書店とカフェでした。また、オートバックスさんに来店するのは男性が多くを占める一方で、周辺にはファミリー層も多いことから、女性の来店を伸ばすためにキッズコーナーも設けました」(CCC 代表取締役社長兼CEO 増田宗昭さん)
店舗内にカフェなどを設置したり、より集客の見込める場所に出店したりして、クルマに興味のある人以外も取り込んでいこうとする姿勢は、自動車ディーラーなどでも共通しています。たとえば、2018年3月にはレクサスが店舗のほぼ半分をカフェにした「LEXUS MEET…HIBIYA」を「東京ミッドタウン日比谷」にオープン。日産も、2016年オープンの「ららぽーと湘南平塚」に同社初となるテナント店舗を開設しています。
オートバックスもまた、2017年から全国の「イオンモール」で従来の路面店より機能を絞った「オートバックスmini」を展開し、これまで全くオートバックスに足を運ばなかった人との接点としての役割を与えています。オートバックスセブンの山添さんによると、今回の「A PIT AUTOBACS SHINONOME」は、そのような店舗づくりの集大成とのことです。
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とはいえ、この店舗はショッピングセンターのように、多くの人が日常的な買い物のついでに立ち寄ってくれるような環境にはありません。オートバックスセブンの山添さんは、「キッズコーナーを活用したワークショップや、親子で楽しめる洗車体験イベントなどを通じて、まず地域の方に足を運んでいただき、この店の価値を体験していただくことを目指します」と話します。また、この「A PIT」を数年のうちに名古屋、大阪などでも展開していきたいとしています。
【了】
道の駅の二の舞