高速バス、なぜ女性利用率が高いのか? 女性向けサービスだけでは説明つかぬ理由
高速バスはほかの交通機関と比べて、女性の利用率が高いというデータが存在します。バス会社によっては利用者の7割が女性というケースもあり、女性専用席、女性専用車などのサービスも導入されていますが、それだけでは説明がつかなさそうです。
昼行便でも女性比率は高い?
一方、お昼の時間帯に運行される「昼行便」では、女性に特化したサービスはあまり見られません。
バス事業のコンサルタントである高速バスマーケティング研究所代表の成定竜一さんによると、「全国幹線旅客純流動調査」が対象としている幹線バスにおいて、女性向けのサービスがあるような長距離の夜行便は、そもそもの運行便数が少ないといいます。高速バスで輸送人員が多い路線は、たとえば山形~仙台間や東京~木更津間、福岡~熊本間など、おおむね所要2時間までの高頻度で運行される昼行便であり、仮に夜行便で女性の比率が高いといっても、高速バス全体で見れば微々たる数字というわけです。
関東で輸送人員の多い東京~木更津間や、東京~鹿島神宮間などの路線を運行する京成バスも、長距離夜行便ではどちらかというと女性をターゲットにしているものの、昼行便では特にそうした施策はとっておらず、「見ている限り昼行便の男女比率に大きな差はないでしょう」と話します。
では、「全国幹線旅客純流動調査」において幹線バスの女性利用率がほかの交通機関と比べて高いことは、何を意味するのでしょうか。成定さんは、上に挙げたような「高速バスの輸送人員が多い区間」、すなわち高頻度で運行される比較的短距離の路線で、「男性はマイカーの利用率が比較的大きく、女性は公共交通の比率が大きい、という仮説は成り立つでしょう」といいます。
実際、「全国幹線旅客純流動調査」では公共交通機関だけでなく「乗用車等」も含めて男女比を比較していますが、その利用比率は男性が8割程度を占めています。また、運転免許保有者の構成率も、男性が約55%に対し、女性は約45%(2015年度末時点)と、女性のほうが少ないのです。
高速バスで輸送人員の多い区間は多くの場合、鉄道と競合していますが、「自分でクルマを運転しない」という女性が公共交通機関のなかでも高速バスを選ぶ傾向があり、そのことが「全国幹線旅客純流動調査」の数値を押し上げている可能性がある、といえるかもしれせん。「もしそうだとすると、『高速バスブーム』といわれた1980年代から現在に至るまで、特に傾向は変わっていないでしょう」と成定さんは話します。
【了】
※一部修正しました(7月27日12時15分)。
着席を保証されないJR普通列車が嫌われている可能性は無いの?
なぜ女性の利用が多いか?
それは、女性は男性に比べて経済力が弱いからです。
こんなこと、自明だと思うのですが。
新幹線で行くお金がない。
自家用車を買うお金がない。
高速代や駐車場代、ガソリン代と自らのそれほど多いわけでもない体力を考慮すると、運転していくのもきつい。
運転が好きで遠方まで自家用車で出かける人もいますが、高速バスの距離を運転する体力と経済力を併せ持つ人は多くないと思います。
家族に遠慮したり、低収入の中上手にやりくりしたり、まだまだ女性の方がお金が自由にならないものだと思いますよ。