飛行機「バードストライク」の実態 毎日のように発生も、ほぼ問題なく目的地へ到着
バードストライクでの損傷率は2%、最も確率が高い部分、空港は?
バードストライクに遭遇した飛行機に損傷が発生する確率は、2018年の日本では約2%(39件)でした。最も機体の損傷につながっている鳥は、600gから1kgの重さが一般的な「トビ」だそうです。
損傷の確率が一番高かった部分はエンジンで、約7%(17件)。なお、最も多く当たっていた機首部分は約1%(6件)です。
なお、エンジンは1.8kgのニワトリを吸い込んでも、飛行を続けられるよう設計されていますが、エンジンが損傷するかどうかは、鳥の大きさだけでなく、ぶつかった状況にもよります。また、羽数も1羽とは限りません。
空港別に見ると、海に面した空港では、バードストライクが多くなる傾向があります。一番多いのが羽田空港で、2018年は157件発生。海沿いで、離着陸数が多い大空港のためです。ちなみに確率では、対馬空港(長崎県)が2018年のトップ。遭遇確率は、単純計算で約0.4%です。
空港でもバードストライク対策をしているものの、鳥と人間との“知恵比べ”状態が続いています。爆音を出す機械などを導入しても、鳥が順応していまい、効果は一時的なのだそうです。
おもな対策としては、空港内の目視巡視が一般的。発生件数最多の羽田空港は、2012(平成24)年から専用レーダーを導入しており、目視と合わせて24時間体制の警戒を行っています。
なお日本の航空会社では、バードストライクが原因の事故は発生していません。世界で見ると、2019年8月にロシアのウラル航空178便が遭遇。滑空状態でトウモロコシ畑に不時着し、全員生還しています。
【了】
!!