鉄道のレールは何度まで耐えられる? 大雨でも大雪でもない“ド晴天”で運休相次ぐワケ
大雨や大雪だけでなく、晴天でもダイヤが乱れのワケ。
暑さでレールが伸びる!?
連日猛暑が続く中、レールがゆがむ恐れから鉄道路線が一時運休となるニュースをしばしば耳にします。2025年7月には記録的な高温の影響で、JR北海道の特急列車や普通列車、富山市の路面電車が相次ぎ運休。今月に入り、神戸市の六甲ケーブル線でも運転見合わせが発生しました。そもそもレール自体は何度までなら大丈夫なのでしょうか。

レールは鉄でできており、暑いと伸びて寒いと縮みます。四季がある日本では、夏と冬の寒暖差による伸縮を考慮して、レールの継ぎ目部に「遊間(ゆうかん)」と呼ばれる隙間が設けられています。
気温が上がりすぎて遊間以上にレールが膨張し続けると、横方向に変形し、最悪の場合は脱線事故につながることもあります。この変形は「張り出し」とも呼ばれています。
一般的にレールの設計上の上限温度は60度とされており、鉄道各社ではレールの温度を監視し、この規制値に達すれば、安全のため日が陰る、もしくは温度が下がるまで運転を見合わせる場合があります。このため、大雨や大雪だけでなく、晴天でもダイヤが乱れることがあるのです。
ちなみに、福島県を走る阿武隈急行は今月、夜間は22度だった25mのレール温度が昼間に47度まで上がり、それだけで7.5mmも伸びたケースを公式Xで紹介しています。
コメント