【空から撮った鉄道】日本最南端を行く路面電車 移転した車庫の記録

 2019年現在、日本には路面電車が19箇所あります。そのなかで最南端なのは、鹿児島市交通局「鹿児島市電」です。鹿児島市電は2012(平成24)年5月と、2016(平成28)年4月の2回空撮しました。この2回の空撮では車庫が移転するという変化もありました。

鹿児島市内に入ると機内は硫黄の臭いに

 日本の路面電車は19箇所存在します。そのなかには東急世田谷線が全線専用軌道であったり、京阪京津線が地下鉄に乗り入れたりと、路面電車とは連想しにくい路線もあり、かたや江ノ電では併用軌道がありながら路面電車ではないと基準はやや曖昧ですが、そのへんはこの場では割愛します。

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武之橋電停と交通局前電停(現在の二中通電停)の間に設けられていた、交通局本局車庫。バスの車庫も併設していた(2012年5月19日、吉永陽一撮影)。

 鹿児島県鹿児島市は、錦江湾に桜島がドドんと構え、ときおり噴煙をあげる九州最南端の都市です。そしてこの街には「鹿児島市電」という路面電車が走っています。系統は第1と第2の二種類で、線路は鹿児島駅前から天文館通まで行くと二方向に分岐。第1系統は交差点で左折分岐すると真っ直ぐ郡元まで行って、谷山が終点。第2系統は天文館通から真っ直ぐ進むと鹿児島中央駅を経由して、第1系統と再び合流する郡元で終点です。線路は大まかに分けて途中で二箇所のエリアを行きます。

 初めて鹿児島市電を空撮したのは2012(平成24)年のことでした。このときはJR肥薩線大畑ループがメインであり、そのあと鹿児島空港へ帰投する前に、鹿児島市内のJR路線と基地、鹿児島市電を予定に組み込んだのです。

 印象に残っているのは、大畑から鹿児島市内へ向かうとき、だんだんと機内が硫黄臭くなり、前方で桜島が噴煙を上げていることでした。噴煙はこちらに向いておらず安全に飛行できる状態でしたが、もし風向きが変わり噴煙の量が増えると市内や空港に達することもあり、そうなると撮影もできなければ着陸にも影響があるかもしれませんでした。天候不順だけでなく噴煙も影響することに、活火山を抱えている場所柄ならではの苦労もあるのだと実感しました。

 セスナ機は問題なく鹿児島市内へ到着します。北側から進入したので、まず鹿児島中央駅が見えました。九州新幹線のホームが見え、その先に市電の線路が確認できます。市電の線路を見ながら高見馬場電停へ到達すると、交差点内の併用軌道が美しく弧を描いて分岐しています。せっかくなので真上から俯瞰気味に狙いました。そのほうが、道路に描かれた線路の幾何学模様がよく分かって面白いのです。

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Writer: 吉永陽一(写真作家)

1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。

 
    
 
    

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