初代「ファントム」戦闘機 知ってる?「F-4 ファントムII」でなく 知名度段違いのワケ

一般的に「ファントム」戦闘機というと、F-4「ファントムII」を指すことが多いですが、「II」と付くように、その前に初代「ファントム」戦闘機が存在しました。知名度があるとはいえませんが、そこには納得の理由があります。

マクドネル社が「ファントム」開発にかかわった深い意味

 第2次世界大戦では世界各地で激戦が繰り広げられており、当時アメリカは友好国への供与ぶんも含めて、航空機の大量生産を行っていました。

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FH-1「ファントム」戦闘機の主翼は後退翼ではなく直線翼で、構造は第2次世界大戦中のレシプロエンジン戦闘機と変わらなかった(画像:アメリカ海軍)。

 そのようななか、徐々に性能的に限界を見せ始めていたレシプロエンジン搭載機にかわり、ドイツやイギリスではジェットエンジンを搭載した軍用機の開発が進められていました。アメリカもそのような動きはつかんでおり、アメリカ海軍ではジェットエンジン搭載の艦上戦闘機を開発しようとします。

 しかし、当時の主要航空機メーカーであるダグラスやノースアメリカン、カーチスなどは、既存のレシプロエンジン機に対する生産や改良で手一杯でした。またジェットエンジン搭載の艦上戦闘機は、当時はまだ技術的に確立されたものではなかったため、開発に際してもどれほどの期間や人的リソースが必要になるか不明であり、その点で主要航空機メーカーがジェットエンジン搭載の艦上戦闘機に振り回されて、全体の生産効率が低下することだけは避ける必要がありました。

 そこでアメリカ海軍は、1939(昭和14)年に設立されたばかりの新興メーカーであるマクドネルに開発を任せることにしたのです。前述したように1943(昭和18)年8月30日に開発がスタートすると、試作1号機は1945(昭和20)年1月26日に初飛行しました。

 こうして「世界初の実用艦上ジェット戦闘機」として誕生したFH-1「ファントム」ですが、一時は100機の生産契約を海軍と結ぶものの、第2次世界大戦の終結に目途が立ち始めたことから、量産は60機までとされ、残りはキャンセルされてしまいました。

 第2次世界大戦終結後の1946(昭和21)年7月21日には、ジェット戦闘機として初めて、空母「フランクリン・D・ルーズベルト」を用いた離着艦試験に成功、名実ともに「世界初の艦上ジェット戦闘機」となり、翌1947(昭和22)年1月から量産機の製造が始まりました。

【写真】ジェット戦闘機として初の空母離着艦に成功した日のFH-1「ファントム」

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