「ファントムII」の血を継ぐ垂直離着陸戦闘機 「ハリアー」超えを狙った米国機の顛末
1960年代、アメリカ海軍は、低コストで運用可能な小型空母を計画します。そこで、狭い甲板でも運用可能な戦闘機として、超音速飛行可能なXFV-12垂直離着陸戦闘機もセットで開発することにしたのですが、理論と時代に翻弄されました。
イギリスが成功したならアメリカにできないはずがない!
第2次世界大戦後、アメリカ製戦闘機として唯一、5000機以上が生産されたF-4「ファントムII」戦闘機は、アメリカ海軍、空軍、海兵隊のみならず、世界11か国で運用されて、様々な派生型が作られました。
そのなかには、ある種、異彩の垂直離着陸機も含まれています。しかし、これは試作機まで作られたものの、ついぞ初飛行できずに終わりました。なぜでしょう。
1960年代、アメリカ海軍は次世代の多用途空母として、「制海艦」と呼ばれる小型空母の構想を練っていました。これは正規空母が大型化し続けた結果、運用コストも跳ね上がったことで、正規戦以外でも低コストで使える汎用小型空母があれば便利と考えたからでした。
1970年代に入り、ベトナム戦争の激化で戦費が高騰すると、「制海艦」構想は具体化し、海軍の計画として本格的に研究されるようになります。
ただし甲板が短いため、戦闘機の類は、カタパルト射出するものを含め、既存のものは軒並み運用不可能でした。そこで制海艦構想と並行して、それに載せるための専用の垂直離着陸戦闘機も開発されることになりました。
ここで、アメリカ海軍は欲を出します。垂直離着陸戦闘機にもマッハ2の超音速飛行能力を要求しました。垂直離着陸機の性能としてはかなり無謀でしたが、理論上からも風洞実験の結果からも開発可能と判断しました。
また、イギリスのハリアー垂直離着陸機が1966(昭和41)年に初飛行し、さらに同国ではマッハ2級の垂直離着陸機の研究も、予算削減によって最終的には中止されたものの、行われていたことで、アメリカ海軍としては実用化可能と判断したものと思われます。
見た目で飛びそうにないモノはやっぱり飛ばないというのを体現した非飛行機ですね
空力中心どこにあるんだか
アナルプラグ刺されてるね確実に
ハリアーは英国面がなせる技。