初代「ファントム」戦闘機 知ってる?「F-4 ファントムII」でなく 知名度段違いのワケ

一般的に「ファントム」戦闘機というと、F-4「ファントムII」を指すことが多いですが、「II」と付くように、その前に初代「ファントム」戦闘機が存在しました。知名度があるとはいえませんが、そこには納得の理由があります。

「130:3」が示す知名度の差

 こうして量産機の製造が始まったFH-1「ファントム」戦闘機でしたが、1940年代末から1960年代にかけて、この頃はジェット機の進化が日進月歩で進んだ時期です。特に、冷戦による米ソの兵器開発は生き馬の目を抜くような状況で、FH-1「ファントム」を開発したマクドネル自体が、その発展型としてF2H「バンシー」艦上ジェット戦闘機を1947(昭和22)年1月に初飛行させたほか、グラマンも同年11月に、同じく艦上ジェット戦闘機であるF9F「パンサー」の初飛行に成功しており、アメリカ海軍の関心が高性能な新型機の方に移るのは明らかでした。

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1948年5月、空母「サイパン」の甲板上で翼を折り畳んだ状態で駐機するFH-1「ファントム」戦闘機(画像:アメリカ海軍)。

 続々と誕生する新型機に押される形で、FH-1「ファントム」戦闘機は短期間のうちに練習機的な扱いとなり、量産開始からわずか2年後の1949(昭和24)年には一線を退き、1954(昭和29)年には完全に退役となりました。

 そのため、FH-1「ファントム」戦闘機は、1950(昭和25)年6月に勃発した朝鮮戦争にも参戦していません。また、アメリカ以外に運用した国も存在しないため、「世界初の艦上ジェット戦闘機」という名誉に輝いているものの、保存展示機はアメリカのみで、しかも3か所計3機のみに留まっています。

 F-4「ファントムII」戦闘機が日本を含む各国で保存展示され、その数も2019年現在、130機以上であること比べると、あまりにも差があります。

 FH-1「ファントム」戦闘機は、前述したような経緯からほとんど知られていません。しかし、その名を継いだF-4「ファントムII」戦闘機が広く名を知られる存在になったことで、合わせて興味を持ってもらえるようになれば、それは初代「ファントム」であるFH-1戦闘機にとって悪いことではないのかもしれません。

【了】

※一部修正しました(12月3日13時20分)。

【写真】ジェット戦闘機として初の空母離着艦に成功した日のFH-1「ファントム」

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子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。とうぜんミリタリーも大好き。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。

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