【空から撮った鉄道】山手線とはちょっと雰囲気が異なる大阪環状線 足掛け5年の撮影記録

東京の通勤通学輸送を担う「山手線」と双璧を成す存在は、大阪の「大阪環状線」であるといっても過言ではないでしょう。でも、大阪環状線は山手線とはちょっと雰囲気が違います。

東京とはいろいろと異なる大阪の環状線

東京と大阪、二大都市の中心部にはそれぞれ環状線が走っています。東京は「山手線」、大阪は「大阪環状線」。ふたつの路線は、同じ環状線ながらちょっと違うことがあります。

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大阪駅を出発する201系の環状外回り列車。ホーム上には221系、223系、321系の姿がちらっと見える(2015年1月29日、吉永陽一撮影)。

 山手線は独立した線路を同じ車両がグルグル周回します。それに対し、大阪環状線はグルっと環状線でありながら、天王寺から分かれて大和路線へ向かう電車があったり、関西空港行きの特急「はるか」が走ったりと、必ずしも運行がパターン化されていません。山手線に慣れている人が、環状線だからと適当な電車に乗ったら、奈良方面へ行ってしまったという失敗談を聞いたことがあります。その人いわく、どの電車も周回しているという思い込みがあったそうです。

 もうひとつ、車両が異なります。現在では大阪環状線も323系というステンレス電車で統一されていますが、つい最近までは国鉄時代から継承されてきた鋼製車の103系と201系が現役でした。今回はそのころのエピソードと写真を紹介いたします。

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水の都を代表する大川を背景に、京橋~桜ノ宮間を走行する201系(2016年4月30日、吉永陽一撮影)。
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大阪城公園~森ノ宮間に位置する吹田総合車両所森ノ宮支所。オレンジバーミリオンの103系、201系をはじめ、201系USJラッピング車、221系、223系が留置中。ちなみに103系はパンタグラフが電動車ユニットの内側、201系は外側に取り付けられているので、上空からでも容易に判別できる(2015年10月22日、吉永陽一撮影)。

 2013(平成25)年に大阪環状線を空撮したとき、山手線からはとっくの昔に淘汰された103系が走っていました。カラーはオレンジバーミリオン。東京育ちの私にとっては中央線を連想させます。同線内を走る103系は高運転台タイプで、子供の頃に山手線や中央線で見慣れてきたタイプと同じということもあって、親近感がグッと湧きました。

 そこで103系を中心に狙おうと思いましたが、この頃になるとかなり少数派となっており、オレンジ色がいると思ってもたいていは201系で、ちょっとがっかりしたことも…。今となっては201系も大阪環状線から去ったので、がっかりした気分は贅沢ですよね(笑)。ちなみに同線の201系は2019年6月7日で営業運転を終了しました。

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Writer: 吉永陽一(写真作家)

1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。

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