ミラーレス化の流れ 潜水艦にも 進化する潜望鏡 ズームやシェアも容易に

デジタルカメラはいまやスマートフォンを始めとして、様々なものに搭載され、その機能は年々進化しています。その技術革新は潜水艦の潜望鏡にも影響を与えており、海自潜水艦の潜望鏡もデジタル式が当たり前になりつつあります。

デジカメの進化は潜水艦にも波及

 カメラの世界で昨今、急速にシェアを広げている「ミラーレス一眼」は、潜水艦の潜望鏡にも同じ原理のものが装備されるようになってきています。はた目には結びつかない両者ですが、実は大きな親和性を持っています。

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浮上航行中のそうりゅう型潜水艦「けんりゅう」(画像:海上自衛隊)。

 ミラーレス一眼カメラを含め、デジタルカメラは基本的にレンズで捉えた映像や画像を、ボディ内部の画像センサーで電気信号に変換し、デジタル画像として液晶モニターに表示しています。これと同じ技術が潜水艦にも用いられつつあります。

 従来の潜水艦の潜望鏡は、一眼レフカメラの光学ファインダーと同じ光屈折式です。潜望鏡の筒の中にはレンズやプリズムが内蔵されており、これらの光の屈折によって潜望鏡先端のレンズで捉えたイメージを末端の接眼部、いわゆる目で覗く部分でクリアに見ることができるのです。

 しかし、潜水艦の潜望鏡は水圧に耐え、水漏れしないことが絶対です。そのため強度と密閉性の問題から、ズームレンズのように伸縮式にすることはできません。曲げることができず、まさに「筒」そのものなのです。「セイル」と呼ばれる潜水艦の上部構造物は、この伸縮も曲げることもできない潜望鏡を収納するために設けられているともいえるでしょう。

 潜望鏡は、船体および「セイル」の中で上下動しかできません。よって、その長さは船体直径とその上に設けられたセイル部分に収まる長さに限られます。

 さらにこのことは、船体を構成する耐圧殻の一部に潜望鏡を貫通させるための大きな穴が開いているということになります。しかし潜水艦の強度を左右する耐圧殻は、できることなら切れ目が少ない、穴の小さい方が理想的です。

 潜望鏡をミラーレスのデジタルカメラのようにすれば、船体に開ける穴はデジタル信号をやりとりするケーブル用の小さなもので事足ります。このように潜望鏡のデジタル化は、潜水艦の様々な問題を解決するために、うってつけの技術といえるのです。

【写真】潜水艦の中枢、潜望鏡2本を備えた発令所

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