航空機の「機長席」 なぜ飛行機とヘリコプターで左右が異なるのか?

カギは操縦「輪」であることと空の交通ルール

 冒頭で触れたような操縦席が横にふたつ並ぶ旅客機などの操縦桿は、一部の機種を除いて操縦席の正面に取り付けられています。

 両手で握りやすいような形状にデザインされていて、クルマのアクセルに相当するスロットルレバーを握っていても、片手で操縦できるようになっています。「操縦輪」とも呼ばれるその形状は、左右の手のどちらを使っても操縦に支障がないようになっているのです。

Large 200123 coc 02

拡大画像

エアバスの旅客機、A300の操縦席は操縦輪型の操縦桿。左右どちらの手でも操縦に支障はない(画像:エアバス)。

 ちなみに最近の旅客機では、ジョイスティック型の操縦桿を装備する機種も増えてきています。このジョイスティック型の操縦桿は、操縦席の左右の壁側に取り付けられているため、機長席である左側では左手で操縦することになります。右利きの操縦士には一見すると不利であると感じるレイアウトですが、機敏な空中機動が求められるわけではない旅客機においては、さほど影響はないともいわれています。

 さらに、航空機は原則として右側通行で、航空法第182条や第185条に規定されています。そのため、同一高度で相互に行き違う航空機は、原則として互いに自機から見て左側を通過していくことになります。機長は搭乗する航空機に対する全責任を担っているため、自分の目でしっかりと相手を確認して、安全に行き交うまでを見届ける必要があります。

 このように、利き手に左右されない操縦桿(操縦輪)や、すれ違う際のルールなどの理由から、操縦席が横に並ぶ飛行機の機長席は左側にあった方が安心であるとの考え方で、原則的に左側へ設けられるようになたというわけです。

 しかし、ヘリコプターの場合は話が別です。その理由のひとつは、ヘリコプターの操縦桿は旅客機などのそれとは異なり、棒状の操縦桿が装備されているからです。

 旅客機などとは異なり、ヘリコプターは時に戦闘機のような機敏な動きを求められます。そのため、旅客機のような操縦桿(操縦輪)ではうまく操縦することができないともいわれています。

【写真】機長席は左手操作 エアバスA350のジョイスティック型操縦桿

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

4件のコメント

  1. いくら操作の機会が減っても、左側にジョイスティックがあるのでは右利きのキャプテンの中には気がおかしくなって辞めちゃった人が出なかったのですかね?毎度毎度コパイロットに君操縦したまえと命じる訳にもいかないでしょう?難易度の種類が違うと思いますが電車も左手ワンハンドルが多くて素人考えでは人間工学に悖ると思えます。

  2. この記事、間違ってませんか?
    回転翼機は、ローターの回転方向によって、機長席の位置が違うはずです。
    また、飛行機操縦において、利き腕が考慮されているというのも、眉唾です。

  3. ヘリは時計回りか反時計回りかで左右変わるんじゃない?
    反時計回りなら右が機長、時計回りなら左が機長では?
    メインローターが傾いてるからローターの回転する方向によって違うのでは?

  4. 回転翼機であるヘリの操縦には、固定翼機に無い操作が必要でその為のもう一つの操縦桿が
    がある事をこの記者は伝えていないコレクティブ・レバーに触れていない時点で、ヘリコプターの基本が判って居ない。