海自唯一になった非イージス対空護衛艦「しまかぜ」の未来は 昔ながらの旋回式発射機

レーダーにしてもミサイル発射機にしても、近年では対応時間を短縮するために動きの少ないものが主流になっています。海上自衛隊の護衛艦が搭載する各種装備も同様であり、冷戦時代に作られたものは姿を消しつつあります。

海自の対空ミサイル護衛艦はイージス艦に一本化

 2020年3月30日(月)20時半ごろ、鹿児島県屋久島の西約650kmの公海上で海上自衛隊の護衛艦「しまかぜ」と中国漁船の衝突事故が発生しました。同日の防衛省の発表によると、死者や行方不明者などはいないそうです。

 この「しまかぜ」、海自の現役護衛艦のなかでも、いまや唯一の「非イージス防空ミサイル護衛艦」という、実は貴重な存在です。

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はたかぜ型護衛艦の2番艦「しまかぜ」。イージスシステム未搭載の艦隊防空を担う護衛艦としては海上自衛隊で最後に建造された艦である(画像:海上自衛隊)。

「しまかぜ」は、はたかぜ型護衛艦の2番艦として1988(昭和63)年3月23日に就役した、艦隊防空を担う「ミサイル護衛艦(DDG)」です。すでに30年以上の艦歴を有するベテラン艦で、護衛艦として現役でいられる時間には、そろそろ終わりが見えつつあります。

 はたかぜ型護衛艦の1番艦「はたかぜ」は2020年3月19日、まや型護衛艦の1番艦「まや」の就役にともない、護衛艦から練習艦に転籍しています。「しまかぜ」の次に建造された防空を担うミサイル護衛艦は、海上自衛隊初の防空戦闘を重視したイージスシステムを搭載する、いわゆるイージス艦の「こんごう」であり、非イージスのミサイル護衛艦は「しまかぜ」が唯一になりました。

「しまかぜ」が、以降のミサイル護衛艦と比べレアなポイントは、旋回式の艦隊防空ミサイル発射機を搭載している点でしょう。

「こんごう」以降のイージス艦は、艦隊防空ミサイルを、VLSと呼ばれる船体埋め込み式の垂直発射装置から、直上に向けて撃ち出す方式に改めました。この方式だと、発射装置を目標方向に向ける必要がないためタイムラグが少なく、さらに秒単位での連続発射が可能です。

 またVLSは発射ユニットが規格化されているため、艦隊防空ミサイルや対潜水艦ミサイルを混載することが可能というメリットもあります。

 これに対して「しまかぜ」までの、イージスシステムを搭載していない防空を担う護衛艦は、艦隊防空ミサイルと対潜水艦ミサイルを別々の旋回式発射機に搭載してきました。対潜水艦ミサイルの旋回式発射機については、「しまかぜ」のあとに就役した艦にも搭載されていますが、艦隊防空ミサイルの旋回式発射機については「しまかぜ」が最後になります。

【写真】有人艦載砲も「しまかぜ」が最後

 
    
 
    

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