驚異の6連装106mm砲! 「数撃ちゃ当たる」をカタチにした米自走砲「オントス」の顛末

ミサイルと異なり目標を自動追尾できない砲弾は、命中精度を弾数でカバーする戦い方もあります。それを1両で行おうとしたのが、アメリカが開発したM50「オントス」対戦車自走砲です。

「オントス」が導入からわずか10年ほどで退役した理由

 M50「オントス」は1955(昭和30)年から1957(昭和32)年までの約2年間で297両が生産され、1960年代半ばからは、アメリカが本格介入をするようになったベトナム戦争で、実戦へ投入されます。

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ベトナム戦争で兵士を乗せて走るM50「オントス」。車体サイズに比して長い無反動砲を外付けしている(画像:アメリカ海兵隊)。

 しかし、当初おもな用途のひとつとされた対戦車任務は、1960年代に急速な発達を遂げた対戦車ミサイルなどに代替されるようになったため、M50「オントス」の用途は歩兵の火力支援がメインになりました。

 またベトナム戦争では、敵として対峙した南ベトナム民族解放戦線、通称「ベトコン」が戦車を装備していなかったことなどから、基地警備や輸送トラック(コンボイ)の警護などにも用いられるようになります。

 ただし履帯駆動のため、トラックのようにスピードが出ず、整備性も悪かったため、徐々に前線から引き揚げられ、ベトナム戦争中の1969(昭和44)年にすべて退役しています。

 なお6門の106mm砲は、射撃は車内から行えますが、そのあとの薬莢排出と再装填は車外でしか行えないため、戦車のように走りながら装填射撃を繰り返すことはできません。よって6門すべての装填はかなり時間がかかるため、その点でも使い勝手は優れていたとはいえなかったようです。

【了】

【写真】ベトナムの砂浜を疾走 M50「オントス」

Writer:

子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。とうぜんミリタリーも大好き。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。

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コメント

1件のコメント

  1. 「南ベトナム民族解放戦線」ではありません。「南ベトナム解放民族戦線」です。

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