海自P-1は現代の一式陸攻か ミサイルや魚雷など武装面から見る哨戒機の役割とは

P-1と陸攻 時代は変われど同じような装備になるのは…?

 九六式、一式陸攻は爆弾や魚雷も搭載可能でした。これらはおもに水上艦艇への対処に使用されましたが、P-1も対潜(対潜水艦)用途ではありますがどちらも装備可能です。

 1999(平成11)年の能登半島沖不審船事件では「海上警備行動」が発令され、警告のためP-3Cから「150kg対潜爆弾」が投下されています。対潜爆弾は無誘導なので、やはり主力は誘導装置を持った「短魚雷」です。

 P-1が搭載する「短魚雷」にも種類があり、アメリカ製のMk46、太平洋など深海における能力を改善した97式魚雷、東シナ海など比較的浅い海での能力を改善した12式魚雷があります。

 これらの短魚雷は、敵潜水艦の発する音を探知するパッシブソナー、または音波を発信し物体に跳ね返ってきた信号を探知するアクティブソナーを持ち、たとえば潜水艦上空から発射され着水すると、円を描くように潜っていき敵潜水艦を探します。

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中央の黄色いものが、P-1のマスターアームスイッチ(安全装置)。兵装搭載状態であることを表している(2018年12月6日、関 賢太郎撮影)。

 80年前と現在では社会情勢こそ大きく変わりましたが、日本という国が四方を海に囲まれ海運に依存する地勢的状況は変化していません。九六式、一式陸攻を現代のテクノロジーによって再設計したようなP-1哨戒機ですが、こうした種類の飛行機がいまも重要であり続けることは、必然であるといえるのかもしれません。

【了】

【写真】対艦ミサイル実際装備すると…? P-3C哨戒機の場合

Writer: 関 賢太郎(航空軍事評論家)

1981年生まれ。航空軍事記者、写真家。航空専門誌などにて活躍中であると同時に世界の航空事情を取材し、自身のウェブサイト「MASDF」(http://www.masdf.com/)でその成果を発表している。著書に『JASDF F-2』など10冊以上。

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コメント

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1件のコメント

  1. 哨戒機という機種を1式陸攻や96式陸攻から着想を得て日本が独自に開発したみたいな書き方ですね…!