空の道「航空路」 その道幅は地上の道とはケタ違い どのくらいの幅をもっているのか
上空を飛んでいる飛行機は、空の道である「航空路」と呼ばれるルートを通り、目的地まで向かいますが、この道幅はどれくらいあるのでしょうか。道幅は場所により異なるものの、地上の道路よりはるかに広いものでした。
洋上の国際航空路の場合はもっと広い道幅に
洋上を通る国際航空路では、保安無線施設を地上のように設置できないことから、その道幅である保護区域は地上のものとくらべて、より広くなります。
洋上国際航空路での保護区域はおもに中心線から左右それぞれ50海里(約92km)、つまり道幅が100海里(約185km)のものと、その半分となる中心線から左右それぞれ25海里(約46km)、つまり道幅が50海里(約92km)のものが一般的です。
日本を発着する洋上国際航空路線では、太平洋を横断する路線などが100海里、陸地の近い日本海や東シナ海などが50海里の道幅を採用しています。
また今般、多くの旅客機はGPSに加え、機内に搭載する、各航空路や無線保安施設、空港の滑走路や進入方式までをデータベースとして保有する「フライトマネジメントシステム」が発達したことで、先述の航空路とは独立した、よりフライト効率のよい「RNAV(広域航法)経路」という航空路も飛ぶことができます。
RNAV経路は、航路ごとに「どの程度の航行の精度が求められるか」でランク付けがされており、上述した航空路の保護区域に相当する道幅はこのランクに基づきます。たとえば国内のRNAV経路で巡航時一般的に採用されている「RNAV5」の場合、経路の中心線から左右それぞれ5海里(約9km)以内を飛行できる精度とされており、経路の幅もこれにともなって左右5海里(約9km)、つまり10海里(約18km)の道幅となります。
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