新型コロナで「帰れない船員」増加の一途 日本郵船では2000人超 世界で深刻化

船員の交代前には14日間の「自主隔離」を行っているとのことです。

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日本郵船「新型コロナウイルス感染症への取り組み」特設サイトより(画像:日本郵船)。

 日本郵船は2020年6月19日(金)、同社グループの新型コロナウイルス感染症対策を取りまとめた特設ページを開設し、そのなかで「船員交代問題について、日本郵船からのご説明」と題した動画を公開しました。

 新型コロナの影響下、各国が人の移動に制限を掛けるなか、世界の物流を担う外航貨物船では「船員の交代が滞る」という問題が発生しています。日本郵船の貨物船では通常、船員は3か月から6か月乗務ののち下船しますが、その交代ができず、就業期間を超過して乗務している人が増えているのです。

 日本郵船では、就業期間を延長して乗務する船員は、3月末の時点で数百人だったものが、4月末には500人を超え、6月末には2000人を超えるとのこと。

 船員の国籍は多様で、下船地からは飛行機などで母国へ移動する必要があり、乗船する場合も、やはり母国から乗船地まで飛行機などで移動するケースが多くあるそうです。ところが、各国が人の移動に制限をかけており、乗船中の船員は就業期間を延長し、また乗船を待つ船員は自宅待機を継続しているといいます。

 このような船員の交代サイクルの崩壊は、日常生活のライフラインでもある国際海上輸送に大きな支障が出てくることから、日本郵船は日本船主協会を通じ、IMO(国際海事機関)などに働きかけているとしています。

 なお国連も6月12日(金)に声明を発表し、世界で数十万人の船員が上陸できない状態が続いていると指摘し、グテーレス事務総長が各国に改善を求めています。

【了】

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