関東から比較的近い長距離フェリー5選 東京発は1航路、どこまで行けば乗れる?

長距離フェリーが多く発着している大阪・神戸と比べ、関東発着は2航路しかありませんが、少し足を伸ばして仙台や新潟も視野に入れるとどうでしょうか。

関東発着は2航路のみだが…

 日本の長距離フェリー(運航距離500km以上)は、おもに北海道、九州と本州を結んでおり、関西では大阪・神戸から九州行きの7航路が発着しています。対して、東京発着の長距離フェリーは1航路、関東全体を含めても2航路しかありません。なお、小笠原諸島行きなどの「離島航路」と、本土の沿岸を航行して陸上輸送の代替となる長距離フェリーは一般的に区別されるため、本記事では後者のみを対象としています。

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有明の東京港フェリーターミナルより、オーシャン東九フェリーの徳島・北九州行き「フェリーびざん」を望む(画像:写真AC)。

 長距離フェリーはクルマを載せられるだけでなく、船内レストランや大浴場もあり、ホテル代わりに利用することもできます。場合によっては、陸路よりも効率的な移動ができるかもしれません。今回は、関東発着の2航路に加え、少し足を伸ばして仙台、新潟に発着している長距離フェリー5航路を紹介します。なお、本記事のダイヤは2019年8月現在のものを記載しているほか、自動車運賃は運転者1名ぶんの旅客運賃(最も安い船室の運賃)を含みます。

東京~徳島~北九州「オーシャン東九フェリー」

・下りダイヤ:東京19時30分発(日曜と祝日は18時00分発)~(2日目)徳島13時05分着、14時20分発~(3日目)北九州5時20分着(日曜と祝日は6時30分着)
・上りダイヤ:北九州19時00分発(日曜と祝日は18時00分発)~(2日目)徳島9時20分着、11時20分発~(3日目)東京5時10分着(日曜と祝日は6時00分着)
・東京発着の旅客運賃(大人片道):東京~徳島1万2340円から、東京~北九州1万7400円から
・東京発着の自動車運賃(全長4m以上5m未満):東京~徳島3万3170円、東京~北九州4万690円
※運賃は2019年8月から9月までの期間のもの。

 東京に発着する唯一の長距離フェリーで、お台場の有明に乗り場があります(徳島は沖洲、北九州は新門司)。就航中の4隻はすべて2016年就航と、比較的新しい船です。最も安い相部屋の2等洋室もひとりひとりの寝台が仕切られているなど、プライバシーが配慮されているほか、追加料金で利用できる個室も従来船より大幅に増えました。

太平洋経由の北海道航路、大洗と仙台から

 関東からはもうひとつ、長距離フェリーが北海道とのあいだで運航されています。

大洗~苫小牧「商船三井フェリー」

・下りダイヤ:大洗19時45分発~苫小牧翌13時30分着、(深夜便)大洗1時45分発~苫小牧翌19時45分発
・上りダイヤ:苫小牧18時45分発~大洗翌14時00分着、(深夜便)苫小牧1時30分発~大洗翌19時30分着
・旅客運賃(大人片道):9900円から
・自動車運賃(全長5m未満):2万6740円
※運賃は最も安いA期間のもの。

 茨城県の大洗港は、東京から常磐道経由で約120km、90分ほどで到着します。また、東京駅に発着する高速バス1往復が、大洗フェリーターミナルでフェリーに接続しているほか、北海道の苫小牧側でも同様に札幌行きの高速バスが接続しています。フェリーの乗船券と、東京~大洗間、苫小牧~札幌間の高速バス乗車券がセットになった商品を使うと、所要時間こそ24時間を超えるものの、時期によっては東京~札幌間を宿泊を含め1万円以下で移動できます。

名古屋~仙台~苫小牧「太平洋フェリー」

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2019年1月就航の太平洋フェリー「きたかみ」(2019年1月、恵 知仁撮影)。

・下りダイヤ:名古屋19時00分発~(2日目)仙台16時40分着、19時40分発~(3日目)苫小牧11時00分着(名古屋~仙台間は隔日運航)
・上りダイヤ:苫小牧19時00分発~(2日目)仙台10時00分着、12時50分発~(3日目)名古屋10時30分着(仙台~名古屋間は隔日運航)
・仙台発着の旅客運賃(大人片道):名古屋~仙台7200円から、仙台~苫小牧8300円から
・仙台発着の自動車運賃(全長5m未満):名古屋~仙台2万3700円、仙台~苫小牧2万6300円
※運賃は2019年9月までのA期間運賃。

 フェリーの運航距離が短いぶん、大洗発着の商船三井フェリーより運賃が安く、所要時間も短いのが特徴です。なお、就航している3隻のうち「きたかみ」は2019年1月に就航したばかりの新造船で、すべて個室または仕切りのあるカプセルタイプの寝台となっています。ちなみに、東京から仙台までは約350km、東北道や常磐道経由で4時間半ほどかかります。

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