陸自「偵察オート」のヒミツ ベースはカワサキ製オフロードバイク 市販車との違いは?
陸上自衛隊が装備する各種車両のなかで屈指の小ささを誇るのが、偵察用オートバイです。国産の2輪車がベースですが、陸上自衛隊が用いるにあたり専用の改良が施されています。そのポイントを現役隊員に聞きました。
カラーリングだけじゃない。細かく違う自衛隊専用車としての改良
陸上自衛隊の車両のなかでは屈指の小ささを誇るのが正式名称「オートバイ(偵察用)」、いわゆる偵察用オートバイです。同車は陸上自衛隊の専用装備ですが、歴代の車両も含めて、国内メーカーが生産した市販車をベースに、必要な装備を増設のうえ納入されています。
2020年現在、偵察用オートバイに用いられているのは、川崎重工製のKLX250です。カラーリング以外にも、市販車とは異なるポイントがいろいろあります。
まず、市販車にはないライトガードやエンジンガード、リアガードなどが付いている点です。これは転倒時に乗員を守るためのものです。また多くの装備を積めるよう、シートの後ろにはリアキャリアが付き、さらに無線機用のキャリアも右側面に設置されています。
ヘッドライトなどの灯火類も市販車にはない機構となっています。法令により、国内で生産されるオートバイは1998(平成10)年4月1日以降、エンジンをかけるとヘッドライトも点く構造になっていますが、戦闘行動時などにヘッドライトを煌々と点けて走っていると、敵に気づかれる可能性があります。そこで偵察用オートバイには消灯スイッチが増設されているのです。
切り替えは、後輪右わきの無線機用キャリアの付け根にある、灯火管制スイッチを回して行います。なお全消灯だけでなく、「BOライト」と呼ばれるごく小さなライトだけを点けることも可能です。
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