新型コロナに九州豪雨 再開間近のレストラン列車襲う なおも「予定通り運行」目指す意味

西日本を襲った豪雨で九州の鉄道は大きな被害を受けました。熊本と鹿児島を結ぶ肥薩おれんじ鉄道もそのひとつですが、レストラン列車「おれんじ食堂」は、予定通り月末の再開を目指すといいます。列車に対する思いと現状を聞きました。

地域の力の結晶 レストラン列車の「意味」

 レストラン列車「おれんじ食堂」は、2013(平成25)年に運行が開始されました。当時の社長が世界的に有名なスイスの観光列車「氷河特急」にヒントを得て計画が始まり、手持ちの車両が、工業デザイナーである水戸岡鋭治さんの設計によって、上質の「走るレストラン」に生まれ変わりました。

「おれんじ食堂」の走行区間は全線で約120km、所要おおよそ3時間と、コース料理を堪能するには十分な時間があります。そして、窓に広がる東シナ海の眺めは何ものにも代え難く、あたりが真っ赤な夕陽に包まれる時間帯は、まるで風景画のなかを走っているようです。さらに、沿線地域はもちろん食材の宝庫。運行条件や風景、そして地元の豊富な食材と、この鉄道路線にはレストラン列車を走らせる好条件が揃っていたのです。

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肥薩おれんじ鉄道の出田貴康社長(画像:肥薩おれんじ鉄道)。

 また、社長だけでなく、大勢の人々がこの観光列車のために情熱を注ぎました。たとえば社員は、列車が長時間停車する薩摩高城(さつまたき)駅に、総出で海岸線までの遊歩道を建設してしまうほど。メニューを考案するレストラン、おもてなしを行う地元の方々など、沿線地域が手を取り合って、この地でしか味わえないサービスを作り上げていったのです。食堂車の運行は運輸、サービス業、そして生産者など異業種どうしの協力の上に成り立つもので、地域のそれぞれの業種が横の繋がりを持つ絶好の機会でもあります。

 いまでは全国に多く存在する観光列車ですが、地元・地場の素材や人を生かした「レストラン列車」「食堂車」は、鉄道旅行だけでなく沿線地域そのものへのファンを増やす役割を果たしています。この「おれんじ食堂」も、時間帯ごとにコースの種類が豊富なこともあって、リピーターも多く訪れているそうです。

【写真ギャラリー】絶景レストラン列車「おれんじ食堂」車内とメニュー/被災状況など

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