東海道新幹線から東海道新幹線に乗り移る人たち 「渡し板で結ばれた新幹線」の目的

3駅にしかない「中継台」と新しい「幅広渡り板」もポイント

 JR東海が行った今回の訓練は、「中継台」と「幅広渡り板」もポイントです。

 あとから開業した東海道新幹線の新富士駅と掛川駅(静岡県掛川市)、三河安城駅(愛知県安城市)では、通過線(本線)とホームのある線路(副本線)がやや離れており、線路と線路のあいだにある中継台を橋脚のようにして、ふたつの渡り板を使い、列車から列車へ乗り移る形になっています(ほかの駅ではひとつの渡り板で可能)。

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新富士駅に設置されている中継台(2020年7月16日、恵 知仁撮影)。

 また、東海道新幹線の列車には1編成16両あたり渡り板が4つ備えられていますが、うち12号車のものは幅広(プラス31cmの75cm)で、車いすに対応しています(使用するのは車いす用の席などがある11号車で)。2020年6月から、東海道新幹線の全列車にこの幅広タイプの渡り板が備えられたそうです(装備開始は2018年から)。

 なお、今回の訓練はJR東海が毎年1回行っている、実際に営業している線路と車両を使っての訓練で、その社員など約100名が参加しています。

【了】

【絵で解説!】新幹線から新幹線へ乗り移る方法

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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