電動キックボード規制緩和「自転車レーン走行OK」実験へ 「キックボードだけ」なわけがない影響

「シェアリングだけ」「キックボードだけ」の特例にはならない!

 Luupは2020年6月のプレスリリースで、「直近の新型コロナ感染症拡大の影響を受けて、各国ではマイクロモビリティ専用レーンの整備が進められており、三密を避ける手段として電動キックボードを含むマイクロモビリティが注目されています。日本においても公共交通機関を補完できる移動手段は求められており、マイクロモビリティの社会実装が急務であると考えています」とコメントしています。

 一方で、こうした電動モビリティを販売する事業者は、現行ルールにのっとり、原付の保安基準に当てはめる形で公道走行を可能にしてきました。たとえば自転車にも電動バイクにもなるタイプのモビリティの場合、自転車モードであっても免許を携帯し、ヘルメット着用で車道を走行する必要があります。このタイプを販売するglafit(和歌山市)も、Luupなどと同じ国の制度を活用し、「自転車モードなら自転車として走れる」よう規制緩和を求めています。

 またインターネットの通販サイトでは、類似する商品が無数に販売されていますが、なかには日本の基準に適合せず「公道は走れません」と注意書きがあるのみで、こうした商品による違法走行も増えているのが現状です。

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Luupが展開する乗りもの。現在は渋谷などで自転車(左)のシェアリングサービスを実施するとともに、各地で電動マイクロモビリティのシェアリングサービス実証実験を行う(画像:Luup))。

 だからこそ今回の規制緩和の動きは、「『シェアリング事業だけ』『キックボードだけ』という話には当然ならないでしょう」と、前出の電動モビリティの業界関係者は、様々なタイプの電動モビリティへの影響を指摘します。

 また今回は前出のとおり道路標識令の適用に関する特例を定める形ですが、「いずれは原付の区分や、電動モビリティそのものの区分も見直されるべき」とのこと。

 というのも、自転車レーンがないところではどう扱うかも明確ではないうえ、「一律で20km/h以下というのは、むしろ危ないという声も出るでしょう」といいます。電動であればエンジンよりもスピードをきっちり調整できるものの、乗る人の体重や路面状況によっても必要なパワーは異なってくるのだそうです。

 なお、Luupは近々、今回の決定と実証実験の内容について発表するとしています。

【了】

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コメント

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3件のコメント

  1. 電動キックボードを自転車専用レーンに走らせる計画のようですが、実質同レーンは完全に整備されいるとは考えにくく、先に歩行者や自動車に影響が出ないようにレーンの拡充が必要と考えます。
    また、自転車や電動自転車を今まで歩道通行不可としていたにもかかわらず、現状黙認しており、同様なことが起こらないように電動キックボードは明確に歩道通行厳禁とし、罰則設定及び警察の監視も強化する必要があると考えます。
    さらに公道を走る車両等全般及び公道禁止となっている通常キックポードやおもちゃを販売する業者に対して交通規則の指導徹底を義務づける必要があると考えます。

  2. 電動自転車が、条件付きで、歩道の走行を認めた事に伴い、全く該当しない方でも当然のように歩道走行をしている現状黙認状態。今度は、電動キックボードまで歩道を占拠されても何の取り締まりもなされなければ、正しく交通規則の無法状態になりかねません。自転車専用道がほとんど整備されていない中で。もっと、徹底した交通道徳を守られる指導が必要と考えます。
    高齢社会の中で、自動車 自転車を止めて歩行する人たちの安全が確保されることを大事と思います。私は、バスからの降車時に、いきなり突っ込んできた自転車で怪我を負ったことがあります。
    バスの停留所で、乗降者があるとき、自転車は勿論一時停車の義務があるはずです。しかし、殆ど止まりません。電動自転車、電動キックボードが突っ込んできた時を想像すると非常な恐怖を感じます。
    規制緩和には時に弱者を苦しめる結果が伴います。業者の方は、販売促進に力を入れる前に、購入者への交通ルールの徹底指導の義務づけをさせて欲しいです。子ども用のキックボードにしても然りです
    歩道の幅員は2.5メートル以上が常識とされていますが、1.5メートル以下のところも少なく無いこと。
    路側帯には商店への荷の積み卸しで駐車している事、バスには停留場が絶対的である事を現状把握した上で種々の計画を立てていただくことを切望いたします。

  3. 電動キックボードの免許に対する規制緩和は別として、ヘルメットに関してはアメリカの多くの州ではヘルメット着用が法律で義務付けられている。誰も守っていないし警察も取り締まってないだけ。