道路で増える「透明の防音壁」 物々しい鉄の壁は過去のもの? 景観◎防音△ゆえの工夫
新しい道路で「透明の防音壁」が採用されるケースが増えています。光を遮らず道路の周囲に日が差しやすいなど、景観上はメリットがありますが、防音効果は鋼製の壁ほどではなくコストも高め。このため「部分的に透明」も見られます。
透明なら光が差す! 物々しくなくてスッキリ
都市部の高速道路などは、両サイドが高い鋼製の防音壁(遮音壁)で覆われていることがあります。たとえば外環道の埼玉県区間は、外から見るとまるでシェルターのように、道路を覆うような防音壁が設置されています。高架下を併走する国道298号も同様ですが、外環道の高架橋が上空にあるため暗く、昼間でもライトを点灯して走るクルマも少なくありません。
こうしたなか、新しい道路を中心に採用が増えているのが、透明の防音壁です。東京、環状2号線の豊洲と築地を結ぶ区間では全面的に採用されており、一部区間は上空まで透明の板で覆われているほどです。
このほか、ドライバーの目線くらいの高さは透明、その上は鋼製にすることで見通しをよくしたり、鋼製壁の上方を透明板にしたりといった部分的な使用も見られます。
防音壁メーカーのひとつ積水樹脂(大阪市北区)によると、透明の防音壁は平成の初め頃から登場し、徐々に増えているといいます。やはりメリットは「光が差す」ことだそう。
透明にすることで、たとえば高架下にできる影の範囲を小さくできるほか、一般道では特に「店の看板が防音壁で見えなくなるので透明にしてほしい」といった要望も多いそうです。新規道路の建設にあたり、当初は鋼製の防音壁で計画したものの、住民説明会の結果で透明に変更するケースも、ままあるといいます。
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