インディ500で佐藤琢磨と戦った米空軍 その真意は? 自動車レースのスポンサーにつくワケ

片方は在日米軍に由来 もう片方は世界初の超音速機に由来

 エド・カーペンター・レーシングに属する第20号車と第47号車は、ボディの両サイドに大きく「USAF」と描き、併せて白星をモチーフにした国籍マークを軍用機のように書き込んでいました。

 しかし、ベースのカラーリングは異なっており、第20号車は濃淡2色のメタリックグレーなのに対し、第47号車は鮮やかなオレンジでした。

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エド・カーペンター・レーシングの第20号車。横田基地に所在する第5空軍にインスピレーションを受けてデザインされたそう(画像:エド・カーペンター・レーシング)。

 なぜ、それぞれ違うカラーリングなのかというと、第20号車は日本の横田基地に司令部を置く第5空軍にインスピレーションを受けてデザインしたものだそうで、サイドポンツーン(車体両脇側面)手前に描かれたシャークマウス(サメに見立てたペイント)は、かつてのP-40「ウォーホーク」戦闘機や、現用のA-10「サンダーボルトII」攻撃機のタイガーシャークをイメージしたものとのこと。

 さらにリアウイングの両サイドに入る稲妻は、アメリカ空軍士官学校をフィーチャーしたものだそうです。

 一方の第47号車は、車両のナンバーである「47」にかけたカラーリングです。アメリカ空軍は、1947(昭和22)年9月18日にアメリカ陸軍から独立する形で誕生しました。その約1か月後の10月14日には、ベルの有人ロケット機X-1が世界で初めて音速を超えました。

 そこから、X-1がまとっていたオレンジ色のカラーリングを受け継いで47号車はそのような配色になっているのです。ちなみにベルX-1は、小説「ザ・ライトスタッフ」やそれを基にした映画「ライトスタッフ」でも描かれており、首都ワシントンD.C.にあるスミソニアン航空宇宙博物館にはオレンジ色のX-1が保存展示されています。

【写真】レーシングカーのオレンジの由来 X-1

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コメント

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1件のコメント

  1. その昔、某グランプリの鷹でF1を超えるフォーミュラ0をアメリカが主催、ソ連も参戦!!
    カギは宇宙開発!!
    なんてストーリーがあったのを思い出した。
    これはそこまで剣呑な話でなく、よかった。