新型「フェアレディZ」はパトカーになるか? 歴代すべて警察使用の和製2ドアスポーツ
「NISMO」と標準の2種類が存在 警視庁のZ34パトカー
栃木県警への配備から9年後、2016年にフェアレディZパトカーの配備が行われたのが、警視庁です。従来のマツダ「RX-8」パトカーの更新用として都費により導入されたもので、当初はタイプ「NISMO」3台でしたが、翌2017年に標準仕様で1台追加配備され、2020年現在、4台が在籍しています。
先行して配備された3台は、前述のとおり「NISMO」というバージョンアップモデルのため、フロントバンパーの形状が異なるほか、リアスポイラーを装着しています。また前後のバンパーに「NISMO」のエンブレムが付いているのが外観上のポイントです。
対して2017年に1台だけ入った標準仕様は、一見すると「NISMO」仕様の3台とあまり変わらないものの、屋根上の散光式赤色灯がオールLEDの薄型タイプであり、かつ「NISMO」エンブレムがありません。
警視庁のフェアレディZパトカーの配備先は、高速隊と一般道を取り締まる交通機動隊の2隊で、分散して運用されているようです。
このように、フェアレディZは警察車両として屈指の採用実績を持っているのです。
とはいえ現場での使い勝手などを考えると、実際には4ドアセダンベースのパトカーの方がベターのようです。スポーツクーペが持つ加速性や高速性能なども、それが必要とされる場面は限られるでしょう。
しかし交通違反の抑止効果や、リクルートを含めた広報活動などではスポーツクーペのパトカーに優位性があるのも確かです。
2020年9月18日には栃木県警に対して、県民からレクサス「LC500」をベースにしたパトカーが寄贈されています。
そう考えると、新型フェアレディZのパトカーも近い将来、誕生する可能性は捨てきれないのです。
【了】
Writer: 柘植優介(乗りものライター)
子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。とうぜんミリタリーも大好き。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。
三重県警のZは故佐々淳行氏が本部長時代に導入を決めたとのこと。
当時の高速隊のパトカーは高速性能が悪く、名神高速を走る飛ばし屋に舐められていると泣きつかれ、普通のパトカー5台分の費用で2台調達したそう。