成田にほんとにあった世界唯一の「ジャンボ機丸洗いマシーン」 そのトホホな顛末

航空機の機体の外装は、今も手作業で洗われます。洗車機、家電なども全自動のものが多くなっていますが、実はかつて、飛行機用の自動洗機装置が成田空港にありました。なぜ撤去になってしまったのでしょうか。

世界唯一の自動洗機装置 なぜ無くなった?

 世界唯一の航空機自動洗機装置は、当時JALの主力機であった「ジャンボ」ことボーイング747シリーズを洗うため、JAL(日本航空)と川崎重工が共同開発したもので、成田空港の整備場の一角にありました。

 場所でいうと空港のすぐ近くにある、芝山鉄道芝山千代田駅からみえるエリアです。実際にこの装置を使って、5000機以上の「ジャンボ」が洗浄されたという報告も。ところがこの装置、「ジャンボ」の退役に伴って撤去されてしまいます。

Large 20201005 01
成田空港にあった「自動洗機装置」(画像:川崎重工業)。

 撤去の理由を関係者に聞いたところ、実はこの装置には弱点があったそう。というのも、同じ「ジャンボ」といっても、実は1機ごとに微妙に個性があるとのこと。たとえば速度を計る装置である機首部分の出っ張り「ピトー管」などは、それぞれの機体ごとに出っ張りが微妙に異なっていたこともあったといわれています。こういった特性を、それぞれ設定し直さなければならない難しさなどもあり、「ジャンボ」の退役を機に、手作業で洗浄する方針となったそうです。

 ちなみに航空機の洗浄は、タイミングが良ければ一般の人でも体験することができます。千葉県芝山町にある航空科学博物館では、過去に航空会社が開催した整備に関するお仕事体験のひとつとして、機体の洗浄体験がありました。3mもあるモップで飛行機の胴体を洗浄するのですが、子供たちだけでなく、大人も楽しそうに機体を洗浄していたのが印象的です。

 ちなみに、洗車機の例でいうと筆者も自家用車を持っていますが、車検の時に洗ってもらう以外は、基本的に雨にお任せしています。

【了】

貴重! 成田空港「自動洗機装置」による洗浄シーン

Writer:

成田空港隣の航空科学博物館元学芸員。日本初の「航空関係専門学芸員」として同館の開設準備を主導したほか、「アンリ・ファルマン複葉機」の制作も参加。同館の設立財団理事長が開講した日本大学 航空宇宙工学科卒で、航空ジャーナリスト協会の在籍歴もある。

最新記事

コメント

4件のコメント

  1. 海上を低空で飛ぶP-3Cは帰投すると水を浴びて塩分を落とす。

    エプロンの手前の地面から水を噴出し、ペラを回していればほぼ機体全体に行き渡るそう。

    ジェット化されたP-1だと手洗いかな?

  2. 作者のコメントの、

    「車機の例でいうと筆者も自家用車を持っていますが、車検の時に洗ってもらう以外は、基本的に雨にお任せしています」

    意味不明ですね、車検時以外車を洗わないって、どんだけ汚い車?

    じつは、車を持っていないのでは?とおもってしまいます。

    • 洗車の頻度は人の勝手だけど見るからに蛇足だな。

    • たしかに蛇足だな。

      飛行機と全く関係ないとこだけわざわざ言及してコメント残すとか、雨で車は汚れます。はどれだけ暇なんだか

記事ランキング

  1. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開
  2. 「断固たる措置を講じる」首都高公式ブチギレ! 「公平性を著しく損なう」非常識ドライバーに“鉄槌”…一体何が?
  3. 「USB挿しっぱ」でクルマが“故障”する? 三菱公式の投稿にSNS騒然 「一体ナゼ?」「これマジで起きるよ」
  4. 神奈川県警の“バイクは自転車レーン走るな”投稿にツッコミ殺到! 「自転車にも車にもバイクにも迷惑です」…何が問題に?
  5. 史上最大の軍艦より135mもデカい!? 旧海軍「大和」を凌ぐ『エースコンバット8』の新ボス「陸上戦艦」の衝撃スペックとは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号