なぜ今「ビンテージのアメ車風」なのか 話題の光岡SUV「バディ」公開 四角い車に自信
アメ車好きのほうが「わかってくれた」
光岡自動車の渡部さんはバディの構想について、次のように話します。
「SUVは各社ともフラッグシップとして打ち出しており、ブランドイメージ重視でラグジュアリーなものが多いです。どちらかというと堅苦しいフォーマルなイメージを持っていましたから、(光岡が出すなら)『Tシャツにジーンズでさらっと乗りこなせるSUV』にしたい、であればアメリカンビンテージだろうと、心の中で決めていました。ずっとそばにいるような大切な相棒、それがバディです」
なぜいまアメ車なのか、という質問には「アメ車を好きな方のほうが、光岡の遊び心をわかってくれる人が多いと、以前から思っていました」と話します。そこでロックスターを打ち出したところ、人気に。これで大きな自信を得たといいます。
そして、実際にバディのデザイン画が完成すると、「満場一致で即決」だったそう。なお、RAV4をベース車にしたのは、ロックスターが完売する頃に日本発売されたというタイミングと、「何となく直線的で、角張ったデザインもやりやすいだろう」と考えたためだそうです。
ちなみに、デザインを担当した青木孝憲さんによると、バディは特定の車種を参考にしたわけではなく、あくまで1970年代から80年代当時のカクカクしたアメ車のイメージ、その時代感やカルチャーを下敷きにしているそう。とはいえ、当時の造形をそのまま再現するのではなく、グリルに微妙な角度を付けるなどして、「令和のアメリカンビンテージ」に仕上げたといいます。
ロックスターとは異なり、バディは限定車ではなくカタログモデルです。発売は2021年6月の予定で、その年に50台、2022年からは150台の生産を予定しているとのこと。従来の光岡車と違い、FRP(繊維強化プラスチック)のほかに金型を用いるABS樹脂やPP(ポリプロピレン)の部品を多用し、「手作りでありながら生産効率を上げている」(青木さん)といいます。
それでも、生産体制には限界があるため、納車まで時間がかかりそうだということです。
※一部修正しました(11月27日10時40分)。
【了】
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