日の丸民間機唯一の勝ち組? 「ホンダジェット」 なぜ主翼の上にエンジンが? 利点は
まだまだある! 快適性に大きくプラスの翼上エンジンのメリット
ホンダジェットで採用されている主翼上面にエンジンを取り付けるメリットは、まだあります。
プライベートジェットでは、「リアエンジン配置」といって、胴体後部に直接エンジンが付いている構造が多く見られます。この配置だと、飛行中はもちろんのこと、着陸時にも「逆噴射(エンジン噴射の方向を推進力を得る後方ではないところに噴射し、減速を図る)」によって機内、特に後部座席では振動と音が響きやすいというデメリットがあります。それに対して、ホンダジェットはエンジンが翼付けのため、客室内に響く騒音を抑えることができるのです。
また、主翼が最も低い位置にあるため、脚を短くすることができます。この場合、長いタラップが不要になり乗り降りがしやすくなります。ホンダの創始者である故・本田宗一郎さんは、自社での航空機開発を目標にするとともに、その理想は「自動車感覚で搭乗できる」というものだったとのことで、乗降のしやすさはそれに通じるものがあります。また、脚が短いことで、滑走路を走るときの安定性が増すというのも特徴です。
ここまで挙げると、ホンダジェットのエンジンの配置はいいことづくしのように思えますが、他の航空機メーカーで一般的になっていないのはなぜでしょう。それはメリットだけではなく、当然いくつかのデメリットもあり、これらの課題をクリアする必要があったからです。
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