実は超ハイテク!? 伝説の3発機ロッキードL-1011「トライスター」 何がスゴかったのか

珠玉のテクノロジーはコクピットにあり!

 また、なかには「トライスター」で初めて実用化された新技術もあったりします。そのひとつが、当時先進の自動航法装置。計器着陸装置の精度は「CATIIIA」に対応しており、これにより、着陸時に視界がほぼゼロの状態でも着陸できる性能を有していました。これは、ヨーロッパでの採用を狙っていたひとつのアピールポイントかもしれません。

Large 210107 tri 03

拡大画像

ANAのロッキードL1011「トライスター」(画像:ANA)。

 また、着陸時に機能するDLC(ダイレクト・リフト・コントロール)というシステムも装備していました。これは他の旅客機ではあまり見られませんが、着陸時に飛行データと少し上げたスポイラー(主翼上で立ち上がる板。おもに減速に用いる)を連動させて、着陸時の進入経路を維持するというもの。筆者は作動しているところを見たことがなく、非常に残念ですが、とあるパイロットによると、進入時にピッチ(前後方向の傾き)角が変わらず滑走路を視認しやすく、なかなか好評だったようです。

 また、客室も先進的で、「トライスター」はギャレイ(キッチン)を客席下の貨物スペースに設置し、温めた機内食をリフトで客室に持ち上げて提供するようになっていました。床下で××なんて、映画にも採用されたような……。

【超貴重?】「トライスター」のコクピットや機体を解剖

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

6件のコメント

  1. 子供のころ大きなジェット、静かなジェットとラジオでCMしてました。ANAの香港線で乗れましたが確かに静かでした。国際線を始めて間もなかったからか機長氏が楽しそうに左に見えますのが台湾島で…など機内放送で解説してくれました。惜しむらくは専門用語は知りませんが中4列分のハットラックがありませんでした。

  2. 全日空は最初DC10を導入する予定だった。
    それが急にトライスターになった。ロッキード事件がそうだった。
    まあ、その為にキャンセルになったDC10の29号機が格安でトルコ航空に流れて、欠陥により1974年にパリで大事故を起こしてしまったのは有名な話。

  3. 型式はエルテン-イレヴンと読むらしいですね
    デルタ航空のに乗ったことが有ります
    機体後部に第3エンジンがあるせいか、独特の騒音が有りました

  4. 墜ちない旅客機ってのが絶対的。そのせいでメーデーに出演できない。

  5. 尾翼からS字ダクトのボディラインが色っぽい素敵な飛行機でしたね。
    現在のトリトンブルー塗装もトライスターが最初に纏いましたし。

  6. コックピットの曲面ガラス処理が美しい