「ジャンボの兄弟」と呼ばれた3発機「DC-10」はどんな機体? 隠れた工夫や新技術 その航跡
DC-10の大きな特徴は? JALではちょっと変わった仕様に
ただし、ライバル機であるL-1011「トライスター」が新開発エンジンを搭載したのに対し、DC-10はボーイング747と同じエンジンを3基搭載することになりました。そして最大の特徴である3発目のエンジンには、独自技術を導入し、胴体と尾翼のあいだを貫くような形で、そのまま挟み込む手法が取られています。これは、当時のジェット旅客機市場では革新的な取り組みで、設計自体もシンプルになるほか、エンジンへ取り込まれる空気の流れが安定することで、安定性も高まるというメリットがありました。
一方で、操縦室周りは、旅客機メーカーの老舗らしいクラシックなスタイルのものが採用され、ほかの欧米産旅客機とのレイアウトなどの共通性を持たせることで、パイロットにとっても馴染み深いスタイルとしています。
DC-10は多くのサブタイプが存在し、初期モデルのDC-10-10、ここから航続距離を伸ばしたDC-10-30、そしてボーイング747でも採用されていたプラットアンドホイットニー社製の「JT9D」エンジンを採用したDC-10-40が続きます。先述のとおりJALでは、この-40型を導入します。
こういったサブタイプを多く作り航空会社の要求に応える作戦は、ライバルのロッキードL-1011より売り上げを伸ばした一因といえるでしょう。DC-10シリーズは世界中の航空会社で導入されましたが、DC-10-40を導入したのは、JALとノースウエスト航空(現デルタ航空)だけでした。
ちなみにJALでは、同じDC-10-40を使用しながらも、国内線仕様と国際線仕様があり、外観からも見分けがつくようになっていました。国際線仕様機には、胴体の中央下部に4本目の脚を装備することで、離陸重量が大きな国際線に対応していたのです。
そしてこのシリーズは、その後「ハイテクになってリニューアル」します。
ボーイングと合併する以前にDC-10開発当時のダグラス社もマクダネル社と合併するくらいには資金繰りに苦しんでましたね
3発としたのは、当時の米国の航空規定で、
双発機は最低気象条件に大きな制限を受けていたためです。
また、「当時の双発機が洋上飛行するには60分以内に云々」お書きですが、
60分ルールは、ルートが洋上かどうかは関係ないです。