「ジャンボの兄弟」と呼ばれた3発機「DC-10」はどんな機体? 隠れた工夫や新技術 その航跡

ボーイング747による大量輸送時代幕開けのウラで、その「兄弟」と銘打たれ、JALに導入されたのが、3発ジェットの「DC-10」です。かつての老舗メーカーであるダグラスらしさにあふれたこのモデル、どういった機体だったのでしょうか。

ハイテク版「DC-10」デビューも…その顛末

 1980年代に入ると、旅客機のコクピットに革命が起こります。それまでの旅客機は、パイロット2人のほか、航空機関士も搭乗し、3人体制でフライトするのが一般的でしたが、テクノロジーの進化で、パイロットのみでエンジンの制御も可能になり、航空機関士を必要としない、2人乗務が可能なモデルが登場します。

 この2人体制での乗務が可能なジェット旅客機に対応すべく、同じマクドネル・ダグラス社が開発した軍用機輸送「C-17」の技術を盛り込み、操縦システムをグラスコクピット化しのが、MD-11です。ほかにも、キャパシティ向上のために胴体延長が図られ、主翼の翼端渦を軽減して燃費効率を上げるための、現代の旅客機でもトレンドになりつつある、主翼両先端に立ち上がった「ウイングレット」を導入しています。

Large 20210201 01
JALのMD-11(画像:JAL)。

 JALでは、MD-11を「J-BIRD」と名付けて10機購入し路線に投入。DC-10との外観上の最大の特徴であるウイングレットに、日本の稀鳥のイラストを施します。

 ただ、MD-11が導入された時期には、双発機の飛行制限も緩和されたことで、洋上路線でも双発機が優勢に。モデル自体の売れ行きも好調とはいえず、同社がボーイングと合併する一因を作ってしまった、悲運の旅客機となってしまいました。

 ただ、これらの3発機は貨物航空会社では2021年現在も重用されており、アメリカのFedExのMD-11が日本に飛来してくることも、いまだに珍しくありません。ちなみに同社の要求から、DC-10にMD-11のシステムをレトロフィットするという、MD-10という機体もあります。

【了】

DC-10?MD-11?どっち?な謎モデル

Writer:

最新記事

コメント

2件のコメント

  1. ボーイングと合併する以前にDC-10開発当時のダグラス社もマクダネル社と合併するくらいには資金繰りに苦しんでましたね

  2. 3発としたのは、当時の米国の航空規定で、

    双発機は最低気象条件に大きな制限を受けていたためです。

    また、「当時の双発機が洋上飛行するには60分以内に云々」お書きですが、

    60分ルールは、ルートが洋上かどうかは関係ないです。

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス