「トライスター」もエアバスだった!? 大手メーカー「エアバス」の一風変わった名前の由来
ヨーロッパの巨大航空機メーカー「エアバス」。この名前はライバルのボーイングなどとは違って人名由来のものではありません。「エアバス」の起源は、なんとも風変わりで、他社機でも使われていた一般名詞が社名に昇華した形です。
かつて社名はエアバス・「インダストリー」
ヨーロッパの航空機メーカー「エアバス(Airbus)」といえば、2021年現在ではアメリカのボーイングと肩を並べるほどの、言わずと知れた巨大企業です。とはいえ、「エアバス」が正式な社名になったのは、2001(平成13)年に株式会社化されてからで、その前は「エアバス・インダストリー」という名称が、1970(昭和45)年の創立以来、長らく正式な社名として使われていました。
創立当時は、民間旅客機を開発製造販売する国営企業だったものの、のちに軍用機の分野に進出したほか、世界有数のヘリコプターメーカー「ユーロコプター」を傘下に納めるなど、すそ野を広げていたことで、今ではヨーロッパを代表する航空機産業企業となっています。
ここまで手広く事業を行っている同社ですが、社名の「エアバス」は今でこそ航空機メーカーの企業を指すものの、由来についてはほかのメーカーとは異なります。ライバル企業だったボーイングやダグラス(現ボーイング)、ロッキードなどは人名ですが、このエアバスはそうではありません。
かつては「エアバス」という単語は、全く違う使われ方をしていたのです。しかも昔は、この言葉をライバルの航空機メーカーたちも、そして航空会社側もこぞって使っており、いわば一般名詞のようなものでした。
エアバス・インダストリーが初めて世に出した旅客機は、1972(昭和47)年に初飛行した「A300」です。このモデルは、エンジン2発の双発機でありながら、通路2本のワイドボディを採用するという、当時としては斬新なコンセプトの旅客機でした。この「300」という型式の名前は、300人乗りであることから来た、という説が濃厚です。
A300型機は、ジェット旅客機の歴史においては、いわゆる「第3世代旅客機」にあたります。それ以前の1960年代には、いわゆる「第2世代」にあたるボーイング727や737、ダグラスDC-9といった、短距離国内線をターゲットにしたジェット旅客機が相次いで航空会社に採用され、それまで短距離路線はコストパフォーマンスの観点からプロペラ機が向いていると考えられていたのを、見事くつがえすことに成功し、航空輸送の向上に貢献しました。
たしかに、子どもの頃エアバスという言葉は複通路機だけを指す言い方だった。
今のようにエアバス社の売れ行きナンバーワン商品が(単通路機の)A320シリーズだなんて状況は当時の人が見たら「矛盾」と思えるだろうね。
A300へのボーイング社の「解答」がB757(単通路)/B767(複通路)でしたかね。日本ではB757は国際線で飛んでくる以外見なかったですが。
そういやANAさん、A320/A321を全機砂漠送りにしてジェットは(MRJやスカイマーク支援のために買っちゃったA380は別にして)ボーイング機でフリート固める、という話が気がつけばA320やA321を続々導入という……。