三江線「観光路線」へ取り組み進む JR廃止から3年、トロッコが鉄橋を渡り広島県内へ
「県境を越えるトロッコ」は初だとか。
2月にトロッコが江の川を渡る
沿線の過疎化などを理由に2018年3月31日に廃止された、JR西日本の三江線。広島県の三次駅と島根県の江津駅を結んでいた108.1kmのうち、島根県邑南(おおなん)町と広島県三次市にまたがる約5kmの区間で、観光用トロッコの運行に向けた取り組みが進められています。
今月2月13日(土)から計7日間、その実証運行として、この取り組みでは初となる、県境を跨いだ運行会を実施。口羽駅を出発し、江の川に架かる鉄橋「第四江川橋梁」を渡り、広島県側の江の川右岸までトロッコが走ります。途中にあるトンネル内では、光と音の演出による「トンネルシアター」が行われ、幻想的な雰囲気となります。
事業を進めているのはNPO法人「江の川鐵道」と「伊賀和志江の川鐵道」。三江線の鉄道資産を活かし地域を盛り上げるべく、島根県側・広島県側それぞれの沿線住民や鉄道ファンで組織されています。
現在、口羽駅と宇都井駅周辺で邑南町が鉄道資産を取得、トロッコ型車両が運行されるほか、橋梁上にある宇都井駅ではライトアップイベントも行われています。
江の川鐵道では、口羽駅と宇都井駅を結ぶトロッコ列車の運行を目指していますが、途中にある広島県内の施設については利用をめぐってJR西日本や三次市との協議が行われ、県を跨いだ調整が進められていました。
今回、観光庁の「あたらしいツーリズム」の補助金事業の採択を受けるとともに、JR西日本米子支社から江の川に架かる鉄橋区間の使用許可を取得。口羽駅を出発したあと、これまで県境手前で折り返していたトロッコが、先述のとおり初めて県境を跨いで走り抜けていきます。
実施期間は2021年2月13日(土)、14日(日)、19日(金)~23日(火祝)。1日4便運行され、定員は各便6名です(2月10日時点で残席わずか)。
【了】
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