北朝鮮の平壌に眠る日本製の電車 国交がないのに保存されているワケ

北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の首都・平壌に日本製の電車が保存されています。日本と北朝鮮の間には国交がなく、人の往来もほぼないような国に、なぜ保存されているのでしょうか。

デロハニ100形電車が保存されている理由

 順調に輸送量を伸ばした金剛山電気鉄道でしたが、太平洋戦争勃発に伴い、1942(昭和17)年に京城電気と合併。1944(昭和19)年には昌道(現・朝鮮民主主義人民共和国江原道金化郡)~内金剛間が休止となっています。太平洋戦争後は鉄原~昌道間の運行が北朝鮮側で再開しましたが(鉄原郡は太平洋戦争後にソビエト連邦軍の管理下に置かれた)、1950(昭和25)年からの朝鮮戦争で甚大な被害を受け、1953(昭和28)年7月27日の朝鮮戦争休戦協定後に路線が韓国側と北朝鮮側に分断となり、いつしか廃止となりました。

 デロハニ100形電車は、全線開業直前の1931年6月に日本車輌製造が製造した車体長19mの両運転台の電車です。2等室(現在のJRのグリーン車に相当)と3等室(普通車に相当)、手荷物室を設置した合造車で、2等室は2+2人掛けのボックスシートで座席定員16人、3等室は2+3人掛け(車端部は2人掛け)のボックスシートで座席定員は54人(立席7人)です。保存されているデロハニ100形102号の車内を見ると、2等室の座席は3等室よりシートピッチが広く、通路側にひじ掛けがあるほか、テーブルも備わっています。

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金剛山電気鉄道デロハニ100形102号の台車の軸受け部分には日本車輌製造のマークが残る(赤矢印部)(2001年、伊藤真悟撮影)。

 では、なぜ国交がない北朝鮮にデロハニ100形102号が保存されているのでしょうか。その理由は、1949(昭和24)年10月に金日成(キム・イルソン)氏と金正日(キム・ジョンイル)氏が乗車したということからです。そのため乗車した座席とテーブルには白い布カバーが掛けられています(2001年撮影時。その後外された模様)。

 デロハニ100形102号は唯一残る金剛山電気鉄道の車両と言われています。その貴重な日本製の車両が北朝鮮で保存されているというのは、なんとも不思議な感じがします。

【了】

【写真】デロハニ100形102号の車内ほか

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コメント

3件のコメント

  1. 台湾とだって国交は無いが

  2. そもそも”日本”だった頃に運び込んだ車両だから、国交もへったくれもない話。

  3. 台湾だって国交ないけど日本製の特急車両と新幹線車両走ってるけど?

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