ハデさには欠けるかもしれない多用途ヘリUH-1Jが陸自のヘリで最も多く配備されるワケ

兵器、あるいは装備品には、ひとつの性能に特化したものが見られる一方、「多用途」をうたうものも見られます。そのひとつ、陸上自衛隊のUH-1Jは、その数の多さと使い勝手の良さから、災害派遣の現場でもよく見られるヘリコプターです。

「多用途」の名に恥じないUH-1Jの多用途ぶりは地震の際にも

 そのコンパクトさから、たとえば病院の屋上に設置されている小さなヘリパッドに降りることもでき、迅速な輸送が必要となる急患搬送任務にもUH-1Jの出番はあります。

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水嚢と呼ばれる空中消火器材から放水するUH-1J(武若雅哉撮影)。

 またコンパクトな機体であることはすなわち機体重量も軽く、よって飛行中に生じるUH-1Jのダウンウォッシュは、CH-47J/JAと比べるとかなりマイルドです。そのため山林火災などでは、そのダウンウォッシュで火の粉を散らすことなく、狭い谷間にも入っていき、ピンポイントで火元に水を撒くこともできます。

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24時間体制で待機している映像伝送装置を搭載した東部方面航空隊のUH-1J(武若雅哉撮影)。

 さらに、各方面航空隊には映像伝送装置を搭載したUH-1Jも24時間体制で待機しており、災害発生時には真っ先に飛び立ち、被災地の様子を上空から撮影し駐屯地などへ伝送することもできます。東日本大震災の際には、迫りくる津波の映像をとらえたこともありました。また、2021年2月13日23時8分に発生した福島県沖地震では、地震発生の約30分後となる23時40分に映像伝送装置を取り付けたUH-1Jが飛び立ち、現地の様子を伝えています。

 一見すると地味でハデさのないUH-1Jですが、1機あたり約12億円とUH-60JAに比べ3分の1程度の調達価格の安さ、そして、様々な任務に投入することができるマルチな性能を持っていることから、全国各地に多数配備され、今日も国防の最前線で飛び続けているのです。

【了】

【写真】救援物資を運べ! 災害派遣 UH-1Jを使った緊迫の現場の様子 ほか

Writer:

2003年陸上自衛隊入隊。約10年間勤務した後にフリーフォトライターとなる。現場取材に力を入れており、自衛官たちの様々な表情を記録し続けている。「SATマガジン」(SATマガジン編集部)や「JWings」(イカロス出版)、「パンツァー」(アルゴノート)などに寄稿。

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