3.11で東北のピンチ救った「福島空港」 震災10年後にも脚光 目立たぬ空港の存在意義
利用者数が1日1000人にも満たない福島空港は、国内空港のなかでも目立たない存在でしょう。しかし、かつて東北の未曽有の危機には、ここが大きな役割を果たしたことがありました。
新幹線優位な福島 飛行機の需要は?
日本には、「飛行場」として区分されているものを含めると、97もの空港があります。この数は「多すぎるのでは」とさまざまな場面で定期的に議論の的になることも。なかには、1日数便定期便が運航されるのみで、かつ鉄道などのほかのアクセスも整っており、その地域の住民ですらあまり使わない、といった実情があるところも存在します。
ただ、日ごろスポットライトがあたりづらいこういった空港が、ときには重大な役割を果たすこともあります。この一例が、福島空港です。
福島空港は、郡山市から南へ直線距離にして約18km、須賀川市と玉川村にまたがる丘陵地に位置しています。ただ、郡山市に交通の大動脈である東北新幹線が停車することもあってか、2021年現在の定期便は新千歳線と伊丹線の2路線のみ(新型コロナウイルス感染拡大による減便除く)です。2019年の年間利用者数は、約24万5000人。1日の利用者数は単純計算で、およそ700人弱となります。これは、東北地域の空港では、大館能代空港(秋田県)に次ぐ利用者の少なさです。
しかし、この空港は2011(平成23)年3月11日に発生した東日本大震災の際、重要な役割を果たしました。
仙台空港も内陸の高台に移設した方がいいのでは