そっくりなのは合理性から!? エアバスA380にあまりにも似た幻の超大型機「MD-12」
「MD-12」の総2階建て案 背景には構造上の合理性が
MD-12の計画がスタートした当時、世界最大のキャパシティをもっていたのが、ボーイング747です。747は、開発段階において、超音速旅客機の出現後に貨物機へ転用することを念頭に置いて設計されていたことから、胴体前半部は2階建てとし、2階部分の最前部にコクピットを配置しています。つまり、前半部の断面形状はおむすび型になっているのです。ただ、構造上からいえば、与圧の関係から、真円に近いほうが効率的になります。
747の初期型後期、タイプでいえば747-300型機からは、2階部分の延長が図られていますが、このとき実は、機体後部までお結び型にする案も検討されたようです。ただ、最終的にはこの案はかなわず、機体の途中まで2階を延長するといった結論になったのでしょう。
ただし、新たな超大型輸送機を開発するとなれば話は別で、最初から効率の良い真円で機体全体を構成することができます。このことから、MD-12は完成予想図のような総2階建ての構造になったものと思われます。
しかし、MD-12のプランが世に出たころには、双発機が国際線を飛ぶような時代になりつつあり、超大型機を新たに開発するにしても、以前ほどの「追い風」、すなわち航空会社からの大きな要望はなかったようです。マクドネル・ダグラス社は、台湾の航空機メーカーとの協同開発などを模索しますが、結局はエアラインからの積極的なオファーがなかったために開発はとん挫。また、マクドネル・ダグラス社自体も経営が上手くいかなくなってたことから、ボーイング社に吸収されてしまい、MD-12は誕生することなく消え去ったのです。
1933年初飛行したMIAG社の軽飛行機にMD12がありますね
MD-12なにかの本で見た記憶はある。
総二階型だと、もう30年以上前のホビージャパンの別冊のウルトラシリーズのメカを扱った本で、大型輸送機として総二階型になった747の図があったのを思い出した。
全体がオニギリ型のままの総二階だった。
なつかしいな。
しかし、実際そのタイプで製造してもエアライン的には使いにくいかな?
まぁMD-12やA380、ソニック・クルーザーの話が出た頃はそれこそ「ハブ&スポーク」最たる時期でそれこそ関空も相応しい作りをしてたわけで。
アメリカ同時多発テロ事件などによる需要の落ち込みやらLCCの台頭による「Point to Point」な進化、更にエンジン強化による2発機進化、環境問題等によって4発機やら超音速機はあえなくって感じですかね。
見た目にハッキリ縦長の胴体と分かるA380とは対照的に、
MD-12の胴体寸法は、高さ7.4 m、幅8.5 mで、
真円ではなく幅広の胴体を採用する計画でした。
胴体断面を真円にすれば、確かに応力が一部にかかるのを避けることができ、
構造上は有利ですが、反面胴体直径が大きくなればなるほど屋根裏のスペースが無駄になり、
空気抵抗が増えます。
それを避けるため、MD-12は胴体を幅広にしてアプレストを増やしました。
少しでもキャビンを広げ、屋根裏の無駄スペースを潰そうとする意図です。
一方、747のおむすびの凹んでいる部分は、丁度二階席の床を支える桁が入っており、
ここで集中する応力を受けるという、非常に巧みな設計になっています。
どちらも単に造りやすいからと真円で済ますのではなく、
空気抵抗、重量等、トータルでのメリットを考慮し、
MD-12は総二階建てキャビンにしよう、747初期型ではコックピット部分を二階にしよう、
という、それぞれの目的に適った合理的な設計と言えます。