2021年春廃止/開業の高速バスまとめ 消える名物夜行バス 新規路線にあるトレンド

2021年春の廃止路線、開業など高速バスに関する動きをまとめました。感染症拡大による移動の自粛が長引き、かつてドル箱であった路線も休止せざるを得ない中、これまでにない発想の高速バス路線も生まれています。

直撃「インバウンド路線」の苦境

 岐阜県高山市を中心に路線バス・高速バスを運営する濃飛バス(濃飛乗合自動車)も、複数の高速バス路線を2021年4月1日付けで廃止すると発表しています。

●濃飛バス

・廃止:高山~富士山線(共同運行先の富士急バスも)

・廃止:高山~扇沢線

・廃止:特急バス神岡~平湯温泉線(共同運行先の富山地方鉄道も)

 濃飛バスが拠点とする岐阜県高山市の周辺は、新型コロナの流行前は外国人観光客に人気を博し、同社はさらに「立山・黒部アルペンルート」の入口である扇沢や、定番スポットといえる富士山など、他の観光地と自社エリアを高速バスで結び、さらなる滞在の増加をうながす戦略をとっていました。しかし、上記の各路線とも2020年4月から運休が続き、再度運行することなく今回の廃止に至っています。

 一方の神岡~平湯温泉線は、JR富山駅・富山空港から上高地・乗鞍への玄関口である「平湯温泉」へダイレクトに乗り入れる路線ですが、2016(平成28)年の路線開設から早々に一部便のワゴン車への車両変更・運転本数減など、厳しい状況が続いていました。神通川の上流にあたる高原川沿いの霧深い谷を分け入り、3時間近くかけて運行されるこの路線は、「インバウンド向け秘境ローカル路線バス」とも言える佇まいがあり、その廃止が惜しまれます。

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平湯温泉に到着した濃飛バスの車両(宮武和多哉撮影)。

●宮崎交通

・廃止:宮崎~大分線「パシフィックライナー」(大分交通ほか共同運行5社とも)

・休止:宮崎~鹿児島線「はまゆう号」(共同運行先の南国交通も)

・休止:延岡~宮崎線

 宮崎交通も4月1日付けで、1路線を廃止、2路線を休止します。九州の高速バスは、エリア内が安価で乗り放題となる「SUNQ(サンキュー)パス」の利用者が多く、近隣の地域からパスで宮崎へ立ち寄る際の選択肢が一気に減少するといえます。

「パシフィックライナー」は2015(平成27)年、東九州自動車道の大分~宮崎間が全通したことを受けて開業したものです。大分~宮崎間のバス路線はかつて一般道経由で存在したものの、道路事情などから長く営業できず、宮崎交通にとってはリベンジといえる開業でした。しかしこの高速道路を経由する数系統のバス路線も利用がなかなか伸びず、いずれも早い段階で休止・廃止となっています。

 また1982(昭和57)年の開業当時から毎時1~2本程度の運行が確保されてきた「はまゆう号」は、宮崎・鹿児島両県の県庁所在地を結ぶだけでなく、宮崎空港・鹿児島空港からの利用も多かったため、空港利用者の大幅減も影響が大きかったと見られます。

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