イタリア空母「アクイラ」「スパルヴィエロ」はなぜ間に合わなかったのか その顛末

「ローマ」から「アクイラ」への改装が始まるも…

「ローマ」は名称を変更し「アクイラ」となり、本格的な改修を行う商船改造空母として、1941(昭和16)年11月からジェノヴァのアンサルド社が工事を開始、「アウグストゥス」の方は、遅れて1942(昭和17)年12月から特務航空母艦「スパルヴィエロ」として簡易的な改造が施されることに決まりました。

 なぜ扱いに差がでたかというと、「アウグストゥス」の方は当時では珍しく、蒸気タービンではなくディーゼル機関が動力として使われていたからでした。現在でこそディーゼル機関の艦船は珍しくないですが、当時はパワー面で不安があったため、簡易的な改造にしようとなったようです。

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「アクイラ」を艦尾方向から。写真は1946年、沈んでいたところを引き揚げられた後のもの。

「アクイラ」は、基準排水量2万3130トン、全長235.5m、艦載機は51機予定としており、規模的には日本の隼鷹型と同じような空母でした。ただ、手探り状態の改造で資材不足にも悩まされ、さらに、搭載していた蒸気タービンでは最高船速30ノット確保は困難と判断され、別の艦船用の蒸気タービンを付け替える作業なども追加されました。結果、1943(昭和18)年9月8日にイタリアが降伏した時点での完成度は80%だったといわれています。

【写真】面影まるでナシ 改造前の貨客船「ローマ」と「アウグストゥス」

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