旅客機にトサカやヒゲ? 滑らかな機体になぜ突起物がたくさんあるのか 実は孔も多数
旅客機のボディは表面をできるだけ滑らかにしなければなりませんが、空港でみるものは、いくつか突起物がついているのが一般的です。一見して飛行の邪魔になりそうですが、もちろんこれらにはそれぞれ、重要な役割があります。
速度を測る「ヒゲ」や温度を測る針
航空機は、空気中を高速で飛行するために、表面をできるだけ滑らかにする必要があります。しかし、旅客機をよく見ると、小さな突起が何か所か機体から出っ張っています。邪魔にも思えるこれらにも、それぞれ役割があるのです。
まず機首部分、ちょうどコクピットの下あたりに、L型に尖がった棒が4か所出っ張っています。前から機体を見るとまるで「ヒゲ」のように見えるこの棒は、「ピトー管」と呼ばれる対気速度計の一部です。
航空機では、自動車のようにタイヤの回転数で速度を計測することはできないため、機体が受ける圧力を変換して速度計に表示します。ピトー管の計速器は、機体が受ける圧力と周囲の気圧との差を利用します。尖がった先で総圧、横の穴から静圧を算出しており、総圧から静圧を引いた圧力(動圧)を速度に変換しています。
なお、旅客機が飛ぶ高度は気温が摂氏マイナス50度にもなるような超低温です。そのためピトー管には、凍結を防ぐヒーターが付いています。
また、ピトー管の近くには、他にも胴体から太い針のようなものが出っ張っています。これは温度計の一部です。上空を飛ぶ航空機を取り巻く大気の状況のバロメーターとして、温度は重要な要素です。
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