「宇宙船の乗り心地」どうですか? 「乗り比べた男」に聞く 3度目の宇宙行き目前に

遺書を用意ってホント?

――帰還もなかなか大変なんですね。最後にお伺いしたいのですが、宇宙飛行士の方は、飛行前に万一に備えて遺書を書くと聞いているのですが、これは本当なのでしょうか?

 はい。これは人によると思いますが、遺書とまではいかないまでも、何かあったときにどういう対応をして欲しいとか、どういう資産を持っているとか、それはリストアップしておいて、家族が困らないようにするための準備はしています。

――なかなか答えづらい内容ですが、ありがとうございます。ミッションの成功をお祈りしています。

 ありがとうございました。引き続き応援よろしくお願いします。

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クルードラゴン(画像:SpaceX/NASA)。

※ ※ ※

 宇宙船の乗り心地は、実際に乗った人でないとわからない話ばかりでした。スペースシャトルは車輪で陸上に、ソユーズはパラシュートで陸上に、「クルードラゴン」はパラシュートで海上に降りるので、星出飛行士は3回の飛行すべてにおいて各々異なる着陸方法を体験することになります。帰還後に機会があれば、改めて感想を聞いてみたいと考えます。

 2021年は、旧ソ連の宇宙飛行士ガガーリンによる人類初の宇宙飛行からちょうど60年、スペースシャトルの初飛行から40年という節目の年です。ガガーリンの飛行時間は108分間でしたが、星出飛行士のISS(国際宇宙ステーション)滞在はおよそ半年間の計画です。宇宙に滞在可能な時間は60年の間におよそ2400倍になったといえるでしょう。

 現在、月に有人宇宙ステーションをめぐらせ月面や火星探査の基地にしようという月ゲートウェイ計画も立ち上がっています。ここを目指して2021年秋から新たな宇宙飛行士の募集も始まる予定です。実際に宇宙船に乗ってみたい方はチャンスといえるかもしれません。

【了】

【写真】ソユーズの船内服を着た星出彰彦宇宙飛行士

Writer: 金木利憲(東京とびもの学会)

あるときは宇宙開発フリーライター、あるときは古典文学を教える大学教員。ロケット打ち上げに魅せられ、国内・海外での打ち上げ見学経験は30回に及ぶ。「液酸/液水」名義で打ち上げ見学記などの自費出版も。最近は日本の宇宙開発史の掘り起こしをしつつ、中国とインドの宇宙開発に注目している。

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